2012 Fiscal Year Research-status Report
物理教育を事例とした遠隔授業による留学予備教育機関での学習支援と支援効果の分析
Project/Area Number |
24501235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | SALESIAN POLYTECHNIC |
Principal Investigator |
伊藤 光雅 サレジオ工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60582921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 純一 サレジオ工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40280367)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / マレーシア / 高専留学プログラム / マラ工科大学INTEC / フィリピン / ドンボスコ工科大学 / 物理教育学 / 遠隔授業 |
Research Abstract |
1.研究計画の概要 本研究は、インターネットインフラの完備問題やスコール・落雷等の気候変動による停電の頻発する発展途上国においてe-learningによる遠隔授業を推進するには課題が多い.そのためサレジオ高専と発展途上国の教育機関を対象に、鏡型データベースを利用した双方向型通信の授業を展開可能とする【新たな遠隔教育システム】の1モデルを提示することを第一目的とする.本研究は、短期目標としてサレジオ高専と、マレーシア高専留学プログラム(KTJ)およびフィリピンドンボスコ工科大学(DBTC)との遠隔授業システム構築を目指す.長期目標として、マレーシアやカンボジアなど海外に点在する日本留学のための予備教育機関における事前教育への波及を目指す. 昨年度の研究計画との変更点は、本研究を実施する海外教育機関としてマレーシア高専留学プログラム(KTJ)とフィリピンドンボスコ工科大学(DBTC)の2校として、研究計画を3年間とした.また本研究は、文部科学省が推進する「留学生30万人計画」により今後、増加する留学生への学力の質的向上を目指す海外教育機関おける教育として貢献するものである. 2.代表的な研究成果 本研究の着想に至った経緯として、サレジオ修道会系列の付属校における遠隔教育の基幹校であるブラジリアカトリック大学(UCB: Universidade Catolica de Brasilia)の存在がある.UCBでは2005年にサレジオ高専杉並キャンパス(SITEC)と、2012年に南山大学とに遠隔教育センターが設立されe-learningによる遠隔授業を活発に展開している.UCBでの遠隔授業の取り組みを含め、本研究の成果発表を、研究紀要と学会発表という形で2012年8月から2013年1月までに研究紀要への投稿2本、口頭発表4本を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
課題研究の進捗状況及び達成度 本研究計画は、3年計画である.本年度は、マレーシア高専留学プログラム(KTJ)において、2013年1月に遠隔授業を5時間実施した.同時に授業アイテムを完成させ、改善に向けたアンケート調査を実施した.研究計画では、2年目である2013年に実施予定である、フィリピンドンボスコ工科大学(DBTC)との遠隔授業に関して、前倒しで事前調査を2012年12月に実施して、DBTC側の担当者であるDean of Engineering and Architecture , Professor : Romon Stephen L. RuizProfessor,との事前会議を終えている. 今年度は、マレーシア視察調査(2012/ 9/ 17-22)、フィリピン視察調査(2012/12/6-9)およびマレーシア遠隔授業実施(2013/1/27-30)、更にフィリピン事前会議(2013/2/26-3/4)と計画を前倒しに進めている. 以上より、初年度の研究達成度は、計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
【平成25年度研究の推進方策】前年度の研究結果を踏まえて、1)留学生への予備教育(物理)の遠隔授業のモデル改善をする.また2)鏡型データベースを用いた遠隔授業の移植・構築に取組む. 1)留学生への予備教育(物理)の遠隔授業のモデル改善:研究初年度は、留学生に対する授業においてNHK高校講座を使用する予定である.本教材の使用においては、研究初年度のワークシートの採点結果と、留学生へのアンケートを実施して、適正な教材であるか分析する.留学生への日本語の語彙や文法上で難度が高い場合は、本学メンバーにより授業向けオリジナルDVDを作成し、差し替えて使用する. 2)鏡型データベースを用いた遠隔授業の移植・構築:サレジオ高専とサレジオ修道会系列のフィリピンドンボスコ工科大学では、2006年から学術協定を結んでいる.2012年からは情報工学科での学科間交流が開始される.学科間交流では、学生の半年間留学と、教員の短期教員交換プログラムを実施する予定であり、特に教育交流において遠隔授業の展開を予定している.遠隔授業における先行研究として、サレジオ高専とスペインサレジオ工科大学との遠隔授業の構築に関する研究がある.サレジオ高専とフィリピンドンボスコ工科大学との遠隔授業では、先行研究を活かしてインターネットインフラの完備不十分な地域において、鏡型データベースを用いた双方向通信可能な遠隔授業を移植・構築する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. 設備備品費の詳細 サーバー構築費用130,000円(モニタ、LANケーブル+ハブ)、遠隔授業用AV機器100,000円(電子ペンMVP-4(X10)) 2. 消耗品の明細 教材作成費50,000円(DVDディスク100枚、コピー用紙3000枚X10箱、教材保存用フォルダー100枚)、報告書製本代金50,000円 3. 旅費等明細 国内旅費270,000円:国内学会参加(日本科学教育学会、日本比較教育学会、日本理科教育学会、1人x3回)高専・大学への国内調査(1人x3回)、外国旅費450,000円:マレーシア高専留学プログラムへの調査費(2人x1回)、フィリピンドンボスコ工科大学への調査費(2人x1回)、人件費・謝金200,000円:学識経験者調査謝金(2人x1回)、その他50,000円:年次報告会議費(1回)
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Research Products
(7 results)