2014 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線撮影法による彩色材料調査の有効性に関する研究
Project/Area Number |
24501265
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Research Institution | Kyushu National Museum |
Principal Investigator |
秋山 純子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・博物館科学課, 研究員 (10532484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 靖紀 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・文化財課, 主任研究員 (80302066)
森實 久美子 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・企画課, 研究員 (70567031)
鷲頭 桂 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部・企画課, 研究員 (90590448)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 面的調査 / 赤外線画像 / 彩色材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
絵画の彩色材料分析には、非破壊でもっと簡便な「面」の広がりを持った総合的な判断要素となる科学分析が必要である。本研究では、赤外線撮影法により彩色材料を非破壊で面的に判断することを目的とする。 最終年度では平成25年度までの成果を踏まえ、より簡便に絵画の面的調査の可能性を探り調査事例を増やすことで、赤外線画像を使った彩色材料の面的調査の有効性を検討することができた。使用したデジタルカメラはPENTAX製中判デジタル一眼レフカメラ654Dである。カメラ本体は赤外線カットフィルターが取り付けられていない赤外線撮影用のカメラなので、リコー製IRカットフィルター67mmを取り付けて通常の撮影を行った。赤外線撮影では扱いやすいガラスフィルターのKenko製赤外線撮影専用PRO1 Digital R72を使用した。 今年度の実際の作品調査では、アメリカフリーアギャラリー所蔵の絵画を撮影することができた。平成24年度に作成したカラーチャートを同時に写し込み、それを基準として赤外線画像の検討を試みた。また九州国立博物館所蔵の同時代、同題材の絵画も同じ様に調査し、両者の赤外線画像から読み取れることを検討した。九州国立博物館所蔵の絵画では赤外線画像の特徴を詳しく検証するため、二次元分光スキャナ装置(イメージング分光器V10C:JFEテクノリサーチ株式会社製)を使って非接触で面的に彩色部分の分光反射スペクトルを検討した。 二次元分光スキャナ装置による測定結果から、それぞれの彩色材料の近赤外領域にどのような反射・吸収を持つのか把握することができた。いずれの彩色材料も赤外線画像の濃淡と近赤外領域の反射スペクトルが一致することが分かった。以上のことから、赤外線画像が彩色材料の特徴を示す一つの指標となり得ると考えられる。
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Research Products
(1 results)