2012 Fiscal Year Research-status Report
博物館における多様で個性的な生涯学習を支援する展示解説ガイドシステムの作成
Project/Area Number |
24501273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
渡辺 靖彦 龍谷大学, 理工学部, 講師 (10288665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 至弘 龍谷大学, 理工学部, 教授 (30127063)
中村 裕一 京都大学, 学術情報メディアセンター, 教授 (40227947)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガイドシステム / 博物館 / 展示解説 / 質問作成支援 / 行動記録 |
Research Abstract |
平成24年度は、まず計画通りに言語資源を収集し、関連研究のサーベイを進めながら、展示解説ガイドシステムを試作するために、ユーザがその興味や関心を具体化・詳細化するのを支援するのに役立つ情報を、ユーザの自由な連想と直感的な操作に対応して示す方法について検討を行った。ユーザの興味や関心を具体化・詳細化するのに役立つ情報として 人名をまずとりあげ、博物館の展示資料などに含まれる単語が人名であるかどうかを、機械学習の手法を用いて精度0.95(F値)の精度で正しく判定できることを示した。調査・実験には wikipedia の見出し語と項目説明文を用いた。そして、抽出した人名間の関係の情報を図式化して示し、ユーザの自由な連想と直感的な操作に対応した情報探索ができる展示解説ガイドシステムの基本システムを試作した。このシステムでは、ユーザが興味や関心をもった情報を、指でふれるなどの直感的な操作で選択することできる。このような直感的な操作は、博物館や美術館でユーザが実際に用いるユーザビリティの低い携帯情報端末では重要である。また、このシステムでは、ユーザの選択結果にもとづいて、ユーザが求める情報を含む文を展示解説から取り出して示すことができる。これによって、展示解説やそれに関連する項目説明文をそれらのテキストの先頭から順に読んだり聞いたりしなくても、ユーザの興味や関心に関連した情報にアクセスすることができる。なお、根拠や例が示されている説明文の評価が高いことも明らかにした。さらに、さまざまなできごとが発生する現場(フィールド)として博物館をとらえ、そこでのユーザの気づきの支援やユーザ同士のコミュニケーションの解析や支援を目的に、ライフログ映像を活用する方法についても研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
展示解説を行なうための知識の抽出に利用する言語資源(博物館の展示資料・図録、wikipedia日本語データ、Yahoo!知恵袋コーパス、百科事典、シソーラスなど)の収集と関連研究のサーベイは予定通り行っている。 展示解説ガイドシステムの基本システムを予定通り試作した。試作したシステムは、ユーザの興味や関心に関連した情報を図式化して示し、指でふれるなどの直感的な操作で情報にアクセスすることができる。 博物館をさまざまなできごとが発生する現場(フィールド)としてとらえ、そこでのユーザ支援やコミュニケーションの解析などにライフログ映像を活用する方法についての研究は予定よりも早く進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、初年度(平成24年度)で試作した基本システムをさまざまな観点から改良する。具体的な改良として以下の項目を検討する。 (1)大規模な言語データからの知識の抽出。 (2)ユーザの興味や関心に関連した情報の重要度の推定。 (3)ユーザビリティの低い携帯情報端末での利用を考慮した展示解説方法の検討。 (1)で抽出した大量の情報についての(2)の重要度の推定結果は、(3)のユーザビリティの低い情報端末での解説方法に密接に関わるので、それらを関連づけて研究を推進する。予定よりも進行している行動記録についても、さまざまな画像・映像処理を行って活用する方法についてさらに検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究のために経費が必要な項目は、(1)大規模データからの知識の抽出、(2)情報の重要度の推定、(3)低ユーザビリティ情報端末での展示解説方法の検討、(4)行動記録の活用方法の検討がある。 (1)(2)の研究では大規模データを処理するための計算サーバ、(3)では携帯情報端末、(4)ではセンサやカメラ、電子部品などが必要で、それらを購入する設備備品費・消耗品費を計上している。また、(1)(2)のためには人手による確認作業が必要になるため、謝金を計上している。
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Research Products
(5 results)