2013 Fiscal Year Research-status Report
博物館における海洋環境変動の影響把握に寄与するダイバー撮影画像の情報化
Project/Area Number |
24501278
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Natural History |
Principal Investigator |
瀬能 宏 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部企画普及課, 企画普及課長 (80202141)
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Keywords | 画像データベース / 死滅回遊魚 / 環境変動 / 生物地理 / 魚類相 |
Research Abstract |
初年度に引き続き画像データの収集に努めた結果、当該年度にデータベース化された画像は13282件に達した。魚類の出現状況に基づく環境変動の把握に重要な地域である伊豆大島を含む相模湾、伊豆半島沿岸、駿河湾において、1993年から2012年にかけての過去20年間にわたり撮影された沿岸魚類の画像は2013年度末で2669件である。これらの画像に含まれる熱帯性魚類について、越冬の目安となる3月から4月にかけての出現状況を分析した結果、ハタ科、チョウチョウウオ科、ハゼ科、クロユリハゼ科などのべ74種を確認できた。年別に出現種数をみると、多くは1から5種であるが、2011年と2012年ではそれぞれ13種と21種で突出していた。2013年の状況は現在データベース化を進めている段階にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は水中写真のデータベース化と環境変動を捉えるために適したモニタリング種の抽出と特に水温と関連した出現状況の解析、さらには継続的な情報収集を可能にするモニタリングシステムの構築にある。これまでの活動により画像はおおむね順調に蓄積されつつあり、年別の出現状況もある程度把握できる段階に達している。熱帯性沿岸魚類の越冬条件として重要な平均海水温について、伊豆大島を含む相模湾沿岸部での状況は把握できたが、駿河湾側についても同様な情報収集を行う必要がある
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き水中写真の画像データベース化を継続するとともに、モニタリングに適した魚種の探索・抽出を進める。抽出されたモニタリング種について水温との関係を分析し、環境変動との関連について考察を行う。継続的な情報集積を可能にするシステム構築のため、引き続き関連海域で活動するダイバーやダイビングショップに対して協力要請を行う。
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Research Products
(10 results)