2013 Fiscal Year Research-status Report
土砂災害危険区域における高齢者の分布と想定最大被害額の推定に関する研究
Project/Area Number |
24501294
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中山 大地 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (90336511)
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Keywords | 自然災害 / 土砂災害 / 災害の被害予測 / 人口分布 / 高齢者 / 災害弱者 |
Research Abstract |
全国を対象として土砂災害のポテンシャルマップを作成し,潜在的な被害額を推定して土砂災害危険区域内の高齢者人口を地図化することを目的とし,平成25年度は以下の研究を行った. 平成24年度に建物の位置を考慮した人口分布の推定について研究を行ったが,平成25年度はその成果を国際ワークショップ(Nakayama, D., Hiramatsu, Y. and Matsuyama, H. 2013. Estimated population map in urban landslide area, Kamakura city, Japan. 2013 ESRI International User Conference, July, San Diego, United States.)ならびに国際学会(Nakayama, D., Hiramatsu, Y. and Matsuyama, H. 2013. The evaluation of the settle slope collapse hazard area considering the distribution of the population and buildings. IGU 2013 Kyoto Regional Conference, August, Kyoto.)にて発表した. また,この手法を用いて全国マップを作成する前段階として,九州を対象に広域の人口分布推定図を作成する方法について検討した.さらに,昼間と夜間では通勤・通学・買い物などの行動を伴うために人口が異なる.このため,熊本市を対象にして夜間人口(常住地人口)と昼間人口を推定する手法を開発した.常住地人口は国勢調査の結果がそのまま使用できるが,昼間人口は通勤・通学などにより人口移動が生じる.このため,国勢調査にある通勤・通学データを加味した昼間人口を推定したが,国勢調査では買い物による人口移動は考慮されていない.このため,店舗面積と来客数のデータから買い物人口を推定し,昼間人口に反映させることにした.これにより,災害発生が夜間の場合と中間の場合による被害状況の違いが考慮できるようになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
建物分布を考慮した人口分布の推定法についてはほぼ完成したが,昼夜間人口を推定するという問題が新たに生じてしまった.これを解決するために時間がかかったため,全国マップを作成する作業に遅れが出ている.全国データを早急に入手して,効率よく全国マップを作成するための仕組みを構築しなくてはならない. 以上のことから,達成率はおよそ70%になる.
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Strategy for Future Research Activity |
建物分布を考慮した人口分布の推定と,昼夜間人口の推定についての手法はある程度完成した.ただし,これを全国に拡大するとなるとかなりの計算が必要になってしまう.現在までに開発した手法はほとんど手作業によるものであるため,全国に展開するためには何らかの形で半自動化する必要がある.また,昼間人口を推定するためには,全国の商業施設の床面積が必要にある.統計値としてはこのデータは存在するが,個々のデータを入手するのが難しく,現状では全国のスーパーマーケットのデータを入手できたのみである. 作業の自動化については,リレーショナルデータベースシステムとGISを組み合わせて,新しいシステムを構築する必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の研究に必要な旅費の請求や物品の購入は行ったが,端数が生じたために少額の次年度使用額が発生した. 必要な旅費や物品の購入を計画している.
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Research Products
(2 results)