2012 Fiscal Year Research-status Report
19世紀以前の東南・東アジア気象観測記録と日本の歴史天候記録による気候変動の解明
Project/Area Number |
24501297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
財城 真寿美 成蹊大学, 経済学部, 准教授 (50534054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 岳彦 帝京大学, 文学部, 教授 (10114662)
赤坂 郁美 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (40574140)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気候変動 / 古気候復元 / 歴史天候記録 / 気象観測記録 / 東南アジア / 東アジア |
Research Abstract |
1. 19世紀の日本における気象観測記録のうち、幕末期の北海道における気温観測記録のデジタル化を実施し、そのデータの補正均質化を行った。現代の函館海洋気象台の気温データを比較した所、依然として不自然なギャップがあるため、今後、補正方法等の再検討が必要である。 2. 1890~1899年のフィリピンの気象観測データのうち、解析に使用できる地点数を確認し、地点分布図を作成した。19世紀の観測地点の緯度・経度が現在の地点と同じかどうか調査した。1865~2007年(1940年代除く)の期間のマニラにおける年降水量、年降水日数を算出し、降水特性の長期変動特性を解析した。 3. デジタル化および補正均質化が完了した19世紀の気象観測データ、歴史文書から収集した天候記録データを、一般に公開するための英語版ウェブサイト(JCDP: Japan-Asia Climate Data Program)の基本フレームを完成させ、公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収集が完了している19世紀の気象観測記録のデジタル化を着実に進めており、また整備が完了したデータの解析に着手している。さらに、当該研究課題の重要な目的である、19世紀の以前の気候データの一般公開・頒布のためのウェブサイトの大半が完成し、公開が可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.19世紀の北海道の気温データの補正均質化方法について再検討を行い、データベースを完成させる。その後、すでにデータベース化が完了している日本の他地点のデータと統合して、Japan Temperature Seriesの再計算を実施する。 2.フィリピンにおける19世紀後半以降の日最高・日最低気温に関する長期変動特性について解析を行い、他の東南アジア・東アジア地域における気温の長期変動特性との比較を行う。 3.JCDPウェブサイトに、順次データをアップロードし公開する。さらに、日本語版のウェブサイトの準備を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、ウェブサイトの保守費用と観測記録・歴史文書デジタル化の人件費に充てる。その他に、史料収集および学会等での成果発表のための旅費に使用する。
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