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2013 Fiscal Year Research-status Report

HIVー1感染によるゲノム不安定性

Research Project

Project/Area Number 24501308
Research Institution独立行政法人国立国際医療研究センター

Principal Investigator

志村 まり  独立行政法人国立国際医療研究センター, その他部局等, その他 (90226267)

KeywordsHIV-1 / Vpr / chromosome translocation / genomic instability
Research Abstract

HIV-1アクセサリー遺伝子産物Vprによる染色体転座および機序を明らかにする:
① 昨年度、Vpr発現細胞(48hrs)によるmulti-FISH(23色)による、染色体数の異常および転座・挿入の有無について網羅的な染色体分析を行ったところ、コントロール細胞(mock transfectant: DOX-, DOX+ ;Vpr-transfectant, DOX-)では転座数は全体の5%未満であったのに対し、Vpr発現細胞(Vpr-transfectant, DOX+)ではおおよそ30%に認められた。このうち、姉妹染色分体の早期分離(PCS)が誘導されている細胞は20%を締めている。染色体の断片化したchromosome minutesも観察された。
② そこで、本年度は、rVpr(10ng/mL)培養液中への添加による、multi-FISH(23色)による網羅的な染色体分析を行った。rVpr(10ng/mL), 3daysは、PCSを誘導する条件である。しかし、細胞200個を調べた限り、コントロールと比べても顕著な転座の増大を示さず、或は、multi-FISHでの検出感度以下であったと考える。次回は、rVpr(100ng/mL)を試みる。
③ Vprの染色体転座責任領域を調べ始めた。Vprによる一過性強発現細胞での、染色体転座の有無を調べ、現在解析を行っている。また、Vpr遺伝子の下流にはpuromycin耐性が存在しているので、puromycinによる選択を3~5日行った後の細胞についても、解析をおこなっている。
④ HIV-1関連リンパ腫で既知の転座領域のFISHを行う(c-myc-Igh等)。HIV関連リンパ腫(などで観られるc-myc-Ighについて調べたが、Vpr発現によって特にc-myc-Ighが増大する傾向は見られなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

やや遅れている:計画していた転座の機序に関する研究がやや遅れている。しかし、研究を律速する理由は、観察する細胞数を200まで増大したこと、染色体解析に時間がかかること、およびマンパワーであり、詳細解析に依る。

Strategy for Future Research Activity

以下の項目について行う。
① Vprによる染色体転座:a)誘導時期:細胞周期依存性を明らかにする為に、G1/SもしくはG2,M期に同調したVpr発現を行い、染色体数の異常および転座・挿入の有無について網羅的に解析する。b)DNA切断との関与:Vprは細胞内に活性酸素を誘導する。活性酸素のscavengerであるN-アセチルシステイン等を添加後、Vpr発現細胞に見られる染色体数の異常および転座・挿入の有無について網羅的に解析する。c)ヒストン修飾との関与:VprはヒストンH3K9のアセチル化を誘導する。ヒストンH3K9のアセチル化を誘導している因子の一つとしてp300/HATを報告している。そこで、p300RNAiやp300の活性阻害剤処置後、Vpr発現細胞に見られる染色体数の異常および転座・挿入の有無について網羅的に解析する。
② 臨床検体: HIV-1感染B-細胞リンパ腫は悪性度が高く治療困難と称されている。そこで、腫瘍予備軍が存在すると考えられる感染者、また、HIV-1感染リンパ腫末梢血においてmFISHを施行し、染色体数の異常および転座・挿入の有無について網羅的に解析する。現在、倫理審査申請中である。
③ 数日HIV-1感染での転座検出は困難かもしれないが、ウイルス感染による染色体転座を明らかにしてみたい。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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