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2012 Fiscal Year Research-status Report

ProhibitinおよびHint2による低酸素下の細胞死の制御機構の解析

Research Project

Project/Area Number 24501312
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

佐藤 清敏  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (50401386)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 久保田 俊一郎  東京大学, 総合文化研究科, 教授 (00260480)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords国際情報交換 / 多国籍
Research Abstract

研究代表者らは低酸素による正常細胞の細胞死誘導過程で減少する因子としてミトコンドリア内膜タンパク質Prohibitin (PHB) を同定し、PHBが細胞生存因子として機能することを明らかにしている。さらに、PHBがミトコンドリアタンパク質Hint2と結合すること、Hint2過剰発現細胞株は抗癌剤の感受性が高いことを見出している。
本研究では、細胞生存因子PHBと細胞死促進因子Hint2の量比が低酸素下の細胞死を制御しているという仮説を検証し、この機構の破綻と癌細胞の低酸素耐性の因果関係を明らかにすることを目的としている。
これらの研究目的を達成するため、正常酸素濃度下と低酸素下におけるPHBおよびHint2の局在と発現量を比較するための予備実験を行った。具体的には、蛍光顕微鏡観察のためにPHB-GFPとHint2-mCherry発現ベクターを構築し、ともにミトコンドリアに局在することを確認した。さらに、内在性のタンパク質を検出するために、抗PHB抗体と抗Hint2抗体を用いて検出のための条件検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画していた正常酸素濃度下と低酸素下におけるPHBとHint2の局在と発現量を比較するための予備実験を遂行し、PHBとHint2がミトコンドリアに局在することを明らかにできた。さらに、内在性のタンパク質を検出するための実験条件を決定できた。

Strategy for Future Research Activity

PHBの減少により遊離したHint2による細胞死誘導機構を解析する。これまでに研究代表者らは、低酸素下で誘導されるミトコンドリアにおけるBcl-2の減少、ミトコンドリア膜電位の低下、シトクロムcの放出、細胞死がPHBの過剰発現により阻害されることを見出している。そこでPHB 結合因子であるHint2をノックダウンさせた場合に同様の結果となるか、Hint2を過剰発現させた場合に逆の結果となるかについて調べる。
さらに、PHB対Hint2のバランスの破綻と癌細胞の低酸素耐性の獲得の因果関係を検証する。腫瘍組織における癌幹細胞の周囲の微小環境(ニッチ)は低酸素状態であり、さまざまな低酸素応答が癌の悪性化と関連していることが明らかになってきている。そこで、癌細胞における低酸素耐性の獲得が、PHBの安定化とHint2の減少の結果もたらされたのかを検証する。
本研究を通じて、PHBおよびHint2による低酸素下の細胞死の制御機構を明らかにする。従来の癌の低酸素応答の研究はHIFを中心としたものであった。本研究を通じてPHBとHint2を中心としたHIF非依存的な低酸素応答経路を明らかにすることができれば、非常に特色のあるものになると考えている。また、これらの分子を標的とした癌の治療法の開発へと展開するための研究基盤を確立できると期待している。具体的にはPHBとHint2の結合を阻害することで細胞死促進因子であるHint2を活性化する薬剤の開発などが考えられる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

現在遂行している以下の解析を継続して、PHBの減少により遊離したHint2による細胞死誘導機構を明らかにする。
(1)ミトコンドリアと細胞質に分画した後、ミトコンドリアに局在するBcl-2と細胞質に放出されたシトクロムcをウエスタンブロッティング法により定量する。
(2)ミトコンドリア膜電位は、電位依存的にミトコンドリアに蓄積するMitotracker Redにより染色し、蛍光顕微鏡で撮影した画像を解析することにより測定する。
(3)細胞の生死判定をトリパンブルー法により行い、血球計算盤を用いてカウントする。
これらの研究計画の遂行のために、細胞培養のための培地・血清・抗体・蛍光試薬を購入する。以上の解析により、PHBとHint2の量比による細胞の生死の制御機構が明らかになると期待できる。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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