2013 Fiscal Year Research-status Report
がんのワールブルグ効果に関連するスプライシング異常の意義と機序
Project/Area Number |
24501326
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Research Institution | 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所) |
Principal Investigator |
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 洋二 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (30420045)
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
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Keywords | PKM / 代謝 / ワールブルグ効果 / スプライシング / がん |
Research Abstract |
腫瘍細胞における代謝再プログラム化において決定的役割を果たす解糖系酵素、ピルビン酸キナーゼM(PKM; pyruvate kinase M)に関し、そのアイソフォーム変換を不可能とした細胞・マウスモデルの作製と解析を行った。平成25年度は、以下のような成果を得た; (i)前年度に樹立したPKM2(M2)-ノックイン(KI)ESCよりキメラマウスを作製し、さらにライン化を行ってヘテロM2-KIマウスを樹立した。ヘテロPKM1(M1)およびヘテロM2-KIマウス同士の交配により、ホモM1-およびM2-KIマウスを得た。当初の予想に反し、ホモM1-,M2-KIマウスは、いずれもほぼ正常に出生し、発育し、雌雄ともに繁殖可能であった。 (ii)上記KIマウスから胎児線維芽細胞(MEF: mouse embryonic fibroblast)を単離し、不死化・形質転換実験を行った。その結果、M1-,M2-KI MEFのいずれもが、対照に比して、細胞老化-不死化のプロセスに異常をもつことがあきらかになった。初代培養MEFにSV40 T抗原を導入して直接不死化した場合には、いずれのKI-MEFも、ほぼ同様に不死化した。しかし、予想に反し、M1-KI MEFは、不死化した段階で、ある種の形質転換型表現型を示すことが分かった。メタボローム解析の結果から、KI変異によって多くの細胞内代謝物レベルが影響を受けていることが判明した。 (iii)PKM-KIを、Gannマウスおよび活性化変異型Krasノックインマウスと交配し、多重変異をもつマウスを作製した。これらマウスを用い、in vivoにおける胃、および肺発がん実験に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養系での実験結果が、当初予想に反するものであったため、解析に予想以上の時間を要している。しかし、vivoの実験系が予想以上に順調に推移していることもあり、区分「2」とする。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね当初計画に沿って研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品費が、予想よりも少額で済んだため。 研究をより円滑に推進するため、消耗品費を計画よりも増額する。
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