2013 Fiscal Year Research-status Report
進行性腎細胞癌に対する分子標的薬投与による初期変化と治療効果の検討
Project/Area Number |
24501350
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々 直人 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50437026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 百万 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10186900)
山本 徳則 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20182636)
服部 良平 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20324410)
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Keywords | 進行性腎細胞癌 / 分子標的剤 / 腫瘍血流 / FABP / ダイナミックCT / スニチニブ / ソラフェニブ / TKI |
Research Abstract |
本研究の目的は、転移を有する腎細胞癌患者、あるいは即時手術による手術摘除が困難な患者を対象として、分子標的薬(スニチニブあるいはソラフェニブ)を投与し、投薬前、投与後にダイナミックCT、造影超音波検査により治療効果を評価し、さらに尿中FABP-L/B/Cを測定することにより、薬剤および患者ごとの治療効果発現時期を検討することである。手術実施症例においては、摘出標本で特定分子の免疫染色を行い、腫瘍縮小効果および投薬中の画像所見と部位照合(マッピング)して、有効性の評価を行う。 解析症例数を確保した。腫瘍栄養血管を同定するには、腫瘍血流を判定する必要性がある。方法として、ダイナミックCT、造影超音波を有用な検査手段とした。CTでは造影効果をHUにて、数値化し、造影超音波では、第2世代造影超音波ソナゾイドを用い、その血流カーブを算出することで、血流を計測した。 副作用発現症例の方が非発現症例に比べて、分子標的剤の治療効果がより高いことが報告され、甲状腺機能低下症、手足症候群、高血圧と治療効果との関連が示されている。組織学的に、分子標的薬投与をされた症例を検討すると、腫瘍血管ばかりでなく、正常腎毛細血管の障害も明らかであり、尿蛋白の出現、高血圧、血清クレアチニンの上昇症例があり、薬剤性急性腎障害が発生している可能性が高い。分子標的剤投与前後で尿中FABP-L/刺スタチンCを測定した。 我々は、CT、造影超音波所見と組織学的所見を照合するため、臓器固定を腎動脈よりホルマリンの環流で固定し、摘出腎細胞癌を画像所見と同じスライスで評価できる方法を確立した。画像所見上で血流低下が起きている部位に組織学的にどのような変化が起きているのかを免疫学的にマッピングした。現在解析ソフトを用いて検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例数の確保は、充足した。画像的評価も順調に行われている。採血、採尿データも不足なく行われている。 ソナゾイドを利用した、造影超音波検査については再現性のむずかしさより難渋している。 免疫染色も半数で行われ、解析ソフトの使用、内容の検討を進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ダイナミックCTを利用した画像評価を引き続いて、詳細に検討していくこと。治療効果を認めた患者群との比較、また有害事象発生による比較を行っていく。免疫染色についても引き続き検索をすすめ、血管内皮密度についての解析方法を解析ソフトを用いて進めていく予定である。臨床情報による成果はまとまりつつあり、これらと、画像、組織、有害事象との関連をいかに見出せるかが今後の検討課題である。
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