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2013 Fiscal Year Research-status Report

ミトコンドリア依存性抗がん剤耐性機構におけるグルココルチコイドの役割

Research Project

Project/Area Number 24501353
Research InstitutionOsaka City University

Principal Investigator

笠原 恵美子  大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30468269)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 久保 秀司  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (10441320)
Keywordsミトコンドリア / グルココルチコイド / 抗がん剤耐性 / 中皮腫 / ストレス
Research Abstract

悪性中皮腫は極めて予後不良の悪性腫瘍であり、薬剤反応性における個体差や耐性獲得が臨床上問題となっている。胸膜中皮腫においては、胸膜の肥厚と癒着による痛み及び呼吸苦を伴う場合が多く、精神的および肉体的ストレスが抗がん剤の作用を左右する可能性が考えられる。昨年度までの研究成果より、シスプラチンに対する薬剤感受性においては癌細胞のミトコンドリア代謝が関与していること、およびストレス環境下において上昇するホルモンであるグルココルチコイドは、ミトコンドリア代謝を制御して抗がん剤耐性を引き起こす可能性が考えられた。
本年度は、マウス中皮腫細胞をマウスに播種して中皮腫モデルマウスを確立した。数種類の中皮腫株化細胞をマウスの皮下および腹腔に播種してその増殖率と生存率について検討を行った。更に、シスプラチンをマウスに投与した後に腎障害をはじめとする様々な副作用についての分子生物学的な解析を行い、マウスがストレス環境下におかれた際の薬剤作用の違いについて比較検討した。その結果、①ストレス負荷によりミトコンドリア酸化的リン酸化機能が著明に抑制され、活性酸素を上昇させる事、②ストレスにより分泌が促進されるグルココルチコイドがミトコンドリア呼吸活性能を低下させることが明らかとなった。今後更に、ストレス負荷とそれによるグルココルチコイド分泌が薬剤耐性に及ぼす影響について詳細なメカニズムを明らかにし、ストレス軽減による抗がん剤の効果上昇の可能性について検討していきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、ミトコンドリア代謝を制御するストレス関連ホルモンであるグルココルチコイドに焦点を当て、生体のストレス応答時に産生されるグルココルチコイドが抗がん剤感受性に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。
昨年度までの研究成果より、in vitroにおいてヒト中皮腫細胞株の抗がん剤(シスプラチン;DNA標的型抗がん剤)感受性にグルココルチコイドが影響を及ぼす事、およびマウスを用いた in vivo実験においても同様にグルココルチコイドによる影響を示す実験結果が得られた。今年度は昨年度の研究成果から得られた知見をもとに、マウスの中皮腫細胞播種モデルを確立してグルココルチコイドの作用を検討した。更に、グルココルチコイドがミトコンドリアに及ぼす影響について分子生物学的な解析を行っており、当初の計画通り今年度の研究はおおむね順調に進展していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

昨年度および今年度の研究成果より得られた知見をもとに、in vitroにおける実験に加えてマウスを用いたin vivo試験を精力的に行う予定である。中皮腫を皮下に播種したモデルを用いて、ストレス負荷が薬剤耐性に及ぼす影響について更に詳細なメカニズムを解析する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

調達方法の工夫などにより当初の計画より研究費の使用の節約ができたことにより生じた未使用分
本研究においてはストレス環境における生体への作用を検討するために、実験動物(マウス)を使用する。細胞培養のメインテナンスに必要な培地や血清などを購入(約10万円)する。マウスの使用予定数はコントロール群とストレス負荷群、および抗がん剤投与による作用の検討等を考慮に入れる。飼育にかかる経費(餌代、ケージ代など)や維持費と合わせると、約30万円を見込んでいる。ストレス関連蛋白質の組織中および血中濃度をWestern 、PCR、ELISAキットにより測定する(約30万円)。更に昨年度に引き続き、生体における抗がん剤の治療効果を非侵襲的に行うためにin vivo imaging systemを用いて検討(約20万円)する。試薬(抗がん剤の購入など)および、その他の消耗品代に約10万円を見込んでいる。情報収集のための学会参加や学会発表の旅費として約10万円を計上する。以上から、計上した研究経費は必要不可欠であり、妥当であると考えられる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] Role of the HPA-axis and mitochondria in LPS-induced septic shock2013

    • Author(s)
      E Kasahara, A. Sekiyama, M. Hori, D. Chida, H. Okamura, M Inoue, S Kitagawa.
    • Organizer
      6th Joint Meeting of the Societies for Free Radical Research
    • Place of Presentation
      Mercure Sydney Hotel (SYDNEY Australia)
    • Year and Date
      20130912-20130914
    • Invited
  • [Presentation] 自然免疫応答におけるHPA軸の役割とミトコンドリアの関与2013

    • Author(s)
      笠原恵美子、関山敦生、堀美香、千田大、井上正康、北川誠一
    • Organizer
      第66回 臨床酸化ストレス学会
    • Place of Presentation
      ウインク愛知(名古屋市)
    • Year and Date
      20130613-20130614

URL: 

Published: 2015-05-28  

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