2012 Fiscal Year Research-status Report
ベバシズマブの抗腫瘍活性を規定する新規バイオマーカーの探索
Project/Area Number |
24501358
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
住本 秀敏 帝京大学, 医学部, 講師 (00306838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 聡一郎 帝京大学, 医学部, 講師 (00376443)
江口 研二 帝京大学, 医学部, 教授 (30349336)
松田 圭二 帝京大学, 医学部, 准教授 (90302728)
野澤 慶次郎 帝京大学, 医学部, 講師 (90317686)
関 順彦 帝京大学, 医学部, 准教授 (90349374)
橋口 陽二郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60251253)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 大腸癌 / VEGF / ベバシズマブ / 免疫逃避 / 腫瘍免疫 / STAT3 / 制御性T細胞 |
Research Abstract |
本年度は研究開始年度に当たり、当研究室・研究環境の整備、研究計画の院内IRB申請・認可、研究員の確保、および免疫学的解析の予備実験など準備に充当する結果となり、本年度は臨床研究の開始には至らなかった。 免疫学的解析に関しては、健常人の末梢血単核球を用いた予備実験を複数回施行し、細胞膜透過試薬を用いた核内タンパク質と表面抗原の多重染色により、フローサイトメトリーを用いてCD4+CD25+Foxp3+の制御性T細胞の検出を既報通り健常人CD4陽性細胞中に4~6%程度の頻度で検出する系を確立した。またMyeloid-derived suppressor cells (MDSCs)の検出に関しては、細胞表面抗原の多重染色により、CD4-CD1b+CD33+細胞として検出する系を確立した。核内リン酸化STAT3蛋白の検出系は、細胞膜透過試薬を用いたフローサイトメトリーにより検出系を確立した。 制御性T細胞とMDSCは免疫抑制に作用する抑制性の免疫細胞サブセットであり、担癌患者の血中で増加していることが広く知られている。リン酸化STAT3は免疫細胞内でVEGF等のサイトカインの作用により活性化される結果核内に検出される転写因子であり、各種免疫細胞内でその機能抑制に関連する遺伝子の発現を誘導することが知られている。癌細胞が産生するVEGFはベバシズマブにより中和されることから、抗腫瘍免疫エフェクターの活性を抑制する種々の免疫動態の変化が予想され、上記抑制性免疫細胞やリン酸化STAT3等の変動を測定することにより担癌生体内における抗腫瘍免疫の変化を知ることが可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まず研究室であるが、内科学講座腫瘍内科においては研究可能なラボスペースが無く、研究開始が大幅に遅れる結果となった。大学当局との交渉の結果、大学棟内の共同利用研究室の利用の認可が下りたのがH24年11月であった。スペースの確保に伴い、備品(冷蔵庫)、試薬・器具類の発注を開始することが出来た。 学内倫理委員会への申請はH24年4月に行い、受理されたのが8月13日であった。 研究員に関しては、H24年11月に専任の技術員を雇用し研究室の整備と免疫学的解析の予備実験を開始したが、技術員の事情によりH25年1月上旬より欠勤し最終的に2月末に雇用関係を終了。この間研究が完全に停止状態となった。3月下旬より新たに技術員を雇用し予備実験を再開し、健常人末梢血を用いた免疫細胞の解析で制御性T細胞、MDSC、リン酸化STAT3レベルのフローサイトメトリーを用いた計測がルーチーンに可能となった。5月以降、学内共同研究者に臨床研究の開始の通知を行った。また、学外施設にも共同研究を要請しており施設内IRBに現在申請中である。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍内科および当院下部消化管外科グループにおいて、適格基準を満たす新規症例を登録し、計画に従い研究を遂行していく。単一施設では研究予定期間内に症例が予定数に達することが困難と予想されるため、学外施設に共同研究を呼びかけて症例数の確保を促進していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は備品(冷蔵庫2機)購入費が他の試薬・器具類の購入費を圧迫する状況が生じた為、前倒し請求を行った。今後の研究費の使用計画としては、免疫学的解析に必要な各種試薬および器具類の購入に充当する予定である。
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Research Products
(6 results)