2013 Fiscal Year Research-status Report
悪性グリオーマ由来がん性幹細胞を標的とした新規低分子化合物の開発
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24501362
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
芦澤 忠 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (10443441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小郷 尚久 静岡県環境衛生科学研究所, その他部局等, その他 (20501307)
秋山 靖人 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (70222552)
安藤 隆幸 静岡県環境衛生科学研究所, その他部局等, 研究員 (40402226)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
前年度において、グリオブラストーマ症例由来のがん性幹細胞培養株に対する抗細胞活性が既存の経口抗悪性神経膠腫剤テモゾロミド以上のIC50(50%細胞増殖抑制濃度)を示した11化合物の類縁化合物あるいは約10万の化合物ライブラリーの中から1440化合物を追加選抜した。がん性幹細胞の中で最も増殖の早いGB-SCC010株を用いて検討した結果、17化合物が10μM以下の抗細胞活性を示し、特に3化合物については1μMとがん性幹細胞に高い感受性を示した。先行リード化合物として合成展開が容易な「化合物X」を3化合物より選択して、in vivo評価用に大量合成あるいは誘導体合成を行っている。 樹立された3種のがん性幹細胞培養株について、ステム関連マーカー遺伝子の発現について検討し多くの遺伝子が過剰発現していることが明らかとなった。また、超免疫不全マウスへの皮下移植において腫瘍の形成を確認しているが、同所移植法(脳内移植)における造腫瘍性の検討を行った結果、原発腫瘍と同一の病理所見が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
約10万化合物ライブラリーの中からテモゾロミドよりも高いADMET scoreを持つ化合物を選抜し、かつグリオブラストーマ症例由来のがん性幹細胞培養株に対して前年度に報告した化合物よりも10倍以上の感受性を示す「化合物X」を見出した。「化合物X」の合成方法の検討や構造新規性の「化合物X」周辺化合物の誘導体合成を行うとともにさらなる化合物ライブラリーの評価として1440化合物のスクリーニングを実施している。3種のがん性幹細胞培養株の特性を確認するために、ステムセル関連マーカー遺伝子の発現を調べるためにリアルタイムPCR法により検討した。各親株に比較してがん幹細胞に特徴であるCD133、CD44、NANOG、Nestin、Oct4/5、SOX2等のステムセル関連遺伝子が過剰発現していることが明らかとなった。なお、超免疫不全マウスにおいて皮下腫瘍の形成を示す3種のがん性幹細胞培養株は大脳半球への脳内移植においても造腫瘍性が確認され、病理学的にも原発腫瘍と同一の所見が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に選択された11化合物よりもグリオブラストーマ症例由来のがん性幹細胞培養株に対して対象化合物テモゾロミドに比べて強い抗細胞活性を示すリード化合物「化合物X」を見出した。「化合物X」のがん性幹細胞に特異的な抗腫瘍性を有するかをin vitro及びiv vivoで検証するとともに、合成プロセスが容易な「化合物X」にフォーカスした誘導体合成に注力する。また、構造新規性のがん性幹細胞に対して有効な後続化合物が見出されれば、先行化合物の特性を基にした評価を早急に行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
経口抗悪性神経膠腫剤テモゾロミド以上のIC50(50%細胞増殖抑制濃度)を示した11化合物の類縁化合物あるいは約10万の化合物ライブラリーの中から1440化合物を追加選抜し、17化合物が10μM以下の抗細胞活性を示した。特に3化合物については、1μMとがん性幹細胞に高い感受性を示した。先行リード化合物として合成展開が容易な「化合物X」を3化合物の中より選択して、さらにin vivo評価用に大量合成あるいは「化合物X」誘導体合成を展開中である。 グリオブラストーマ症例由来のがん性幹細胞培養株に対して対象化合物テモゾロミドに比べて強い抗細胞活性を示すリード化合物「化合物X」を見出した。そこで、「化合物X」のがん性幹細胞に特異的な抗腫瘍性を有するかをin vitro及びiv vivoで検証するとともに、合成プロセスが容易な「化合物X」にフォーカスした誘導体合成に注力する。また、がん性幹細胞に対して有効な構造新規性の後続化合物が見出されれば、先行化合物の特性を基にしたin vivo評価を実施する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Novel cancer-testis antigen expression on glioma cell lines derived from high-grade glioma patients2014
Author(s)
Akiyama Y, Komiyama M, Miyata H, Yagoto M, Ashizawa T, Iizuka A, Oshita C, Kume A, Nogami M, Ito I, Watanabe R, Sugino T, Mitsuya K, Hayashi N, Nakasu Y and Yamaguchi K
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Journal Title
Oncology Rep.
Volume: 31
Pages: 1683-1690
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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