2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24501364
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加藤 貴彦 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70169506)
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Keywords | 前立腺がん / 食物摂取頻度調査 / ライフスタイル / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
前立腺がん発生に関わる栄養学的・遺伝学的特性を明らかにし、食事・ライフスタイルの視点からその予防策を具体化することである。3年間で以下の項目を明らかにする予定である。1. 食物摂取頻度調査票を用いたOmega-3不飽和脂肪酸摂取量、植物エストロゲン摂取量の推定 2. 脂肪酸代謝酵素、ホルモンリセプター等関連遺伝子の遺伝子多型解析 3. 得られたデータの総合的な解析を行い、個人レベルで利用できる前立腺がん発生・悪性度・進展・予後を規定する発生リスクモデルの作成。以上の研究結果に基づき、食習慣(栄養素摂取)の視点から、前立腺がんの発生予防を目指したテーラメイド型の食事・ライフスタイルメニューを作成する。研究目的を達成するために以下の研究を実施する。 H25年度には以下の研究を実施・成果を得た。 1. 調査対象者の個人データベースを完成した。1) ライフスタイル情報の整理: 前立腺がん1,050症例、健常対照者1,290例の食物摂取頻度調査票、仕事時間、喫煙、飲酒、運動習慣に関するデータクリーニングを完了した。2) 食物摂取頻度調査票をもとに、①野菜、果物、魚の摂取量 ②n-3系脂肪酸、n-6系脂肪酸摂取量、③イソフラボン摂取量 ④ビタミンB群の摂取量の定量化を行った。その結果、コーヒーの摂取量が多いほど、前立腺がんの発症リスクが低下することが明らかとなった。2. ホルモンリセプター遺伝子、活性酸素抑制に関連する遺伝子多型の解析を行った。具体的には、Estrogen receptor 2、Glutathione peroxidase 1& Glutathione peroxidase 2の代表的な遺伝子多型と前立腺がん発生リスクとの関連について解析した。 3. 以上の解析結果をもとに、前立腺がん発生リスク要因について解析し、現在、論文を作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライフスタイル、食事・栄養素摂取量と前立腺がん発生リスクに関する疫学解析を実施し、論文を作成中である。また、遺伝子解析結果を加えた環境・遺伝子交互作用についても、現解析中である。予備解析として膀胱がんの検体を用いて解析した論文は、Environmental Health and Preventive Medicine (EHPM)、2013年度最優秀論文に選出された。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づいて得られた結果について論文を作成中である。ただ前立腺がん全体の解析だけではなく、より詳細な臨床病理学的なデータに基づいたサブ解析は研究結果の正確度を高めると考えている。収集が遅れている臨床病理学的データの収集を進める。
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Research Products
(2 results)