2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本人および日系人におけるヘテロサイクリックアミンの曝露評価に関する研究
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24501366
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
岩崎 基 独立行政法人国立がん研究センター, がん予防・検診研究センター, 部長 (60392338)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 曝露評価 / 生体試料 / 食物摂取頻度調査票 / 妥当性研究 / 日系人 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人および日系人を対象に食物摂取頻度調査票によるヘテロサイクリックアミン摂取の曝露評価法の確立を目指した研究を実施した。 平成26年度は「サンパウロ在住日系人を対象とした大腸腺腫の断面研究参加者における食物摂取頻度調査票の妥当性研究」において収集した食事調査データ(93人)を用いて食物摂取頻度調査票から推定したヘテロサイクリックアミン摂取量の妥当性を検討した。パーマをかけていない、染色をしていないという条件を満たす日系人46人の毛髪を分析し、PhIPが検出された対象者のうち、PhIP濃度およびヘテロサイクリックアミン摂取量に外れ値を持つ対象者を除き33人を解析対象とした。定量限界値以上の値であった30人の平均PhIP濃度は137.9 pg/g hairであった。また1日あたりのヘテロサイクリックアミンの平均摂取量は12.2 ngであった。毛髪中PhIP濃度とエネルギー調整したPhIP摂取量との間のスピアマンの順位相関係数は、対象者全体で0.26、定量限界値以上の対象者に限定した場合が0.17であり、いずれも統計的には有意でないが弱い正の相関がみられた。しかし、メラニン濃度で調整したPhIP濃度とエネルギー調整したPhIP摂取量との間のスピアマンの順位相関係数は、対象者全体で0.12、定量限界値以上の対象者に限定した場合が-0.01であった。 平成24から25年度の検討において、日本人を対象とした食物摂取頻度調査票から推定したヘテロサイクリックアミン摂取量が、疫学研究における対象者のランキングとして妥当であることを示唆する結果を得ているが、平成26年度の日系人を対象とした食物摂取頻度調査票の妥当性については、その算出方法など更なる改善の必要性を示唆する結果であった。また毛髪中PhIP濃度を曝露指標とした場合、日本人より日系人の濃度が高い傾向にあることが示された。
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Research Products
(3 results)