2014 Fiscal Year Research-status Report
沿岸生態系におけるアマモ場からの懸濁態有機物移出過程の定量的評価に関する研究
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24510008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 秀樹 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (30451892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 利宏 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20311631)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生物地球化学 / 沿岸生態学 / アマモ場 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は計画に従い、大槌湾箱崎・根浜両地区のアマモ場での観測を予定していたが、根浜地区に隣接している森林にて行われている砂防林の復旧工事(根浜地区林地荒廃防止施設災害復旧工事)の現場より排出される泥水が根浜地区の全体を覆ってしまったため、溶存態・懸濁態物質の分布状況のみを確認する予備調査を5、7 、9月に行ったが、泥水の被覆状況は改善しなかったことから、本年度の本調査の実施を断念した。続く、11、 3月にも同様の予備調査を行ったが、やはり状況は改善していなかった。同工事は平成27年度3月末完了の予定であったことから、研究期間の延長申請を行うものとして、冬季中の本調査も断念した。予備的に採取した溶存態・懸濁態物質を分析することにより、人為的な影響を含めたアマモ場の回復過程の貴重な記録を得ることが出来たものと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査対象としている大槌湾根浜地区に隣接している地区の陸側に東日本大震災により被害を受けた森林が広がっているが、その森林にて砂防林の復旧工事(根浜地区林地荒廃防止施設災害復旧工事)が開始された。この工事に伴い排出される泥水の排水口が調査地区内に設置されたことから、調査地区内がこの泥水で覆われることとなってしまった。本研究は根浜地区近傍にある鵜住居川より流入する陸起源有機物とアマモ場におけるその分解過程が調査対象となっており、流入する多量の泥水は調査の意義を著しく低下させるものであるため、当年度は定期的に同地区にて予備調査を行いながら状況を確認したが、最終的に当年度の本調査を断念した。
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Strategy for Future Research Activity |
当年度の調査を断念する理由となった「根浜地区林地荒廃防止施設災害復旧工事」は平成27年度3月末までの計画となっていることから、現地の泥水の放出は止まるものと考えられる。アマモ場を覆う泥の状況を確認しながら延期した9月の夏季・12月の冬季調査を実施する。冬季観測で得られた試料分析などスケジュールはタイトなものになることが予想されるが、依頼分析などの活用により対応していくことを考えている。年度末行われる日本海洋学会の春季大会にて本事業で得られた成果を発表する。
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Causes of Carryover |
調査対象としている大槌湾根浜地区に隣接している地区の陸側に東日本大震災により被害を受けた森林が広がっているが、その森林にて砂防林の復旧工事(根浜地区林地荒廃防止施設災害復旧工事)が開始された。この工事に伴い排出される泥水の排水口が調査地区内に設置されたことから、調査地区内がこの泥水で覆われることとなってしまった。本研究は根浜地区近傍にある鵜住居川より流入する陸起源有機物とアマモ場におけるその分解過程が調査対象となっており、流入する多量の泥水は調査の意義を著しく低下させるものであるため、当年度は定期的に同地区にて予備調査を行いながら状況を確認したが、最終的に当年度の本調査を断念した。 これらの調査の延期に伴い、試料の分析のための消耗品の購入費用・依頼分析費用ならびに学会発表の旅費などの次年度使用の必要性が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度購入を計画した電磁流速計については購入を断念し、平成26年度に行った予備調査に必要な旅費および採取した試料の分析費用に充てることとした。本年度は、夏季および冬季の調査に必要な旅費および採取した溶存態・懸濁態物質の分析用の消耗品の購入の他、現場型粒子計の電池の購入を行う。電磁式流速計を本年度も大気海洋研究所より借り出しを受け、それを調査に使用することとする。また安定同位体比の分析については、装置のマシンタイムの確保が難しいことから依頼分析を中心に行うことを計画している。
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