2015 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸生態系におけるアマモ場からの懸濁態有機物移出過程の定量的評価に関する研究
Project/Area Number |
24510008
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福田 秀樹 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (30451892)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 利宏 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (20311631)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 生物地球化学 / 沿岸生態学 / アマモ場 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は調査対象地域である大槌湾箱崎・根浜両地区のアマモ場のうち、根浜地区に隣接している森林おいて砂防林の復旧工事(根浜地区林地荒廃防止施設災害復旧工事)の現場より、泥水が排水されるようになり、この泥水により根浜地区の全体が覆われてしまっていたため、隣接する鵜住居川からの流入してくる懸濁態有機物の動態を検討する本研究の実施は不能と判断し、研究期間を延長した。昨年度の段階では本工事は平成27 年度内に終了するとされていたが(復興庁HP参照)、工期の遅れに伴い泥水の放流は10月末まで続いた。当初の計画では水温のピークを迎える9月に夏季調査を行うこととしていたが、本年度が最終年度ということもあり、やむを得ず11月に第一回目の調査を実施した。その結果、水中濁度計などに測定結果では明確な泥水の影響は見られなかったことから、対となる冬季の調査を1月に追加で実施した。昨年度と本年度は人為的な影響により研究計画の大幅な変更を強いられたが、工事により大きな撹乱を受けた根浜地区及び撹乱を受けなかった箱崎地区と、同じ湾内の置かれた状況の異なるアマモ場の回復過程の貴重な記録を得ることが出来たものと考えている。栄養塩類及び懸濁態有機炭素・窒素の分布は、11月には箱崎・根浜両地区のアマモ場内部で高くなる傾向にあったが、2月では同様の傾向は解消していた。得られた試料の分析結果に対する解析を引き続き行い、アマモ場の遷移過程における懸濁態物質の動態の変化を明らかにする。
|