2014 Fiscal Year Annual Research Report
光学的手法を用いた植物プランクトンによる一次生産速度の連続測定
Project/Area Number |
24510015
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
後藤 直成 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (40336722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴 修平 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50238234)
石田 典子 名古屋女子大学, 文学部, 教授 (90191874)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 一次生産 / 植物プランクトン / クロロフィル蛍光 / 琵琶湖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、琵琶湖における植物プランクトンの日間一次生産速度を光学的手法により連続的かつ精度良く測定・算出し、さらに、その一次生産速度の変動要因を明らかにすることを目的とした。 植物プランクトンの一次生産速度は、琵琶湖北湖湖心部(水深60 m)に係留した光学測器3機種(光量子計、クロロフィル蛍光計、パルス変調式クロロフィル蛍光計)の測定値から算出した。同時に、光学的手法の精度を評価するため、ボトル培養法(酸素法)により一次生産速度を測定した。 その結果、2012年の調査期間(4月~12月)を通じて、光学的手法による一次生産速度(Popt)は1.3~4.7 g O2 m-2 d-1の範囲で変動し、酸素法による一次生産速度(PO2: 1.3~4.5 g O2 m-2 d-1)とほぼ同様の季節変動を示した。この期間におけるPoptとPO2との間には高い正の相関関係が認められ、Popt/PO2比は0.91~1.31(平均1.09)の範囲で変動した。これらの結果から、本研究の光学的手法は酸素法に近い精度で一次生産速度を測定できることが明らかとなった。また、Poptは日射量に依存して日々大きく変動し、春期と夏期に高く、梅雨期と冬期に低くなる傾向を示した。 2013年度と2014年度は、上記の光学的手法の精度をさらに高めるため、光合成-光曲線の連続測定法の開発を試みた。その結果、水中係留型クロロフィル蛍光計で測定される植物プランクトンのクロロフィル蛍光と光合成-光曲線パラメータ(初期勾配、最大光合成速度)との間に一定の関係性があることを見出した。この関係性は、植物プランクトングループ(珪藻、緑藻、シアノバクテリア)によって異なるが、現場における植物プランクトン種組成を多波長励起蛍光計等によって連続測定することができれば、光合成-光曲線を連続的に測定・算出することができると考えられる。
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