2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510017
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
松島 大 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50250668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 玲二 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (80315457)
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Keywords | 黄砂 / 土壌水分 / 熱慣性 / 熱赤外 / 地表面熱収支 |
Research Abstract |
平成25年度においては、当初の研究計画は、(1) 熱慣性-土壌水分量・植生指数関係式の導出、及び(2) ダスト発生臨界風速分布図の作成であった。しかし、集中観測サイトであるツォクトオボーにおいて、特にダスト発生が著しい3月から5月に掛けて、土壌水分量変動が非常に小さく、ダスト発生臨界風速は土壌水分量よりも表層土壌のクラスト構造等の固結度による可能性が大きい推測された。このため、(1) については必要な量のデータが揃ってから取り組むこととした。また、(2) についても、(1) の結果がないと熱慣性推定値をダスト発生臨界風速値に変換できないため、熱慣性推定値と土壌水分量・降水量観測値の比較による熱慣性値推定法の確認を中心に研究を進めた。 本年度ではモンゴル国中部の典型草原・乾燥草原・一部ゴビに至る地域(北緯44~46度, 東経99~108度)において2012年7月を対象にして熱慣性値を3kmメッシュで推定した。熱慣性値と土壌水分量との関係を集中観測サイトの土壌水分量、定常気象観測点の降水量、及びAMSR2土壌水分プロダクトと比較したところ、比較的よい対応が見られた。ただし、標高の高い地域において熱慣性の過大評価が見られたが、これは気温等の入力データに不備がある可能性が高かったため、これを改訂することにより推定値の改善を図る予定である。また、50kmメッシュの空間精度であるAMSR2土壌水分プロダクトの空間分布を3kmメッシュの熱慣性推定値によってダウンスケールする試みも行った。その結果、標高にあまり影響を受けない形で表層土壌水分量の3kmメッシュ分布を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度の当初計画において、熱慣性-土壌水分量・植生指数関係式の導出を行う予定であったが、集中観測サイトにおいて、特にダスト発生が著しい時期に、土壌水分量変動が非常に小さい等の理由で必要な量のデータを得ることができなかった。これによって、上記の関係式を未だ得ることできておらず、これが当初計画に比べて進捗が遅れている主な要因である。本年度までに集中観測サイトにおけるデータは蓄積が進んでいるので、これに基づいて同関係式の導出に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度に当たるため、これまでに遅れていた計画を取り戻し、当初の研究目標を達成すべく研究を進める予定である。具体的には下記の課題に取り組む。 なお、(2)については風食の激しかった2010年春季を主な対象とする予定である。 (1) 熱慣性-土壌水分量・植生指数関係式の導出 (2) 熱慣性分布図、さらに(1)の結果を用いたダスト発生臨界風速分布図の作成及び検証
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者及び研究分担者において予定していた国内外旅費の使用が日程の都合が付かずに行われなかったためである。 次年度において主に成果発表のための旅費等に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)