2012 Fiscal Year Research-status Report
新手法を用いた亜硝酸を含む大気中酸化態窒素成分濃度および沈着量の評価
Project/Area Number |
24510023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
野口 泉 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, その他部局等, 研究員 (10442617)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 酸化態窒素 / 亜硝酸 / 窒素沈着 / 乾性沈着 / 沈着速度推計プログラム |
Research Abstract |
本研究は,大気中酸化態窒素成分である二酸化窒素,一酸化窒素,硝酸,亜硝酸および硝酸塩の大気中の組成および挙動を明らかにし,その沈着量評価を行うことを目的としている。調査は亜硝酸の捕集ができる新手法のフィルターパック法を用いて実施する。また,沈着量評価のための乾性沈着速度推計プログラムの開発も本研究で行う。 平成24年度は,以下の7項目について実施した。(1)連携研究者および研究協力者とともに会合を開き,大気中酸化態窒素成分の挙動に関する既存の情報について情報交換を行い,これまでの研究成果から大気中酸化態窒素成分濃度の日内変動の把握などの課題について検討を行った。(2)前述の会合と同時に開催された学術集会にて酸化態窒素成分の挙動についての情報収集を行うとともに,本研究の調査方法でもあるフィルターパック法についての発表を行った。(3) 大気中酸化態窒素成分濃度の調査においては,当初予定の全国6つの地方自治体の環境研究所(北海道立総合研究機構,埼玉県環境科学国際センター,愛知県環境調査センター,兵庫県環境研究センター,和歌山県環境衛生研究センターおよび沖縄県衛生環境研究所)により,全国7 地点(利尻,札幌,埼玉加須,豊橋,神戸須磨,和歌山海南,沖縄辺戸)で,通年の連続調査を実施した。(4)沖縄の辺戸岬および北海道の利尻において冬期集中観測を実施し,課題として挙げられた大気中の組成および濃度の日内変動データを得た。(5)新たな2地点(札幌白石,香北,フィルターパック法)で,本研究に参加希望する協力機関(札幌市衛生研究所,高知県環境研究センター)と協議を行った。(6)沈着量評価に用いるインファレンシャル法を用いた乾性沈着速度推計プログラムの開発を進めた。(7)年度内成果等について,学会等において成果発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は,大気中酸化態窒素成分である二酸化窒素,一酸化窒素,硝酸,亜硝酸および硝酸塩の大気中の組成および挙動を明らかにし,その沈着量評価を行うことを目的としている。また,沈着量評価のための乾性沈着速度推計プログラムの開発も本研究で行うこととなっている。平成24年度は,当初の予定通り次の研究を遂行した。 (1)大気中酸化態窒素成分の挙動に関し,最新の研究成果と課題について情報収集を行い,当初予定の全国7 地点で,通年の連続調査を実施した。 (2)沈着量評価に必要なインファレンシャル法を用いた乾性沈着速度推計プログラムの開発を進め,既存のデータから得られた濃度勾配法による沈着量評価結果との比較検討を進めた。 また,別の研究による調査などと連動させたことなどによって,研究費を有効活用でき,バックグランド地域において冬期集中観測を実施し,大気中の組成および濃度の日内変動データを得ることができた。 このように,当初予定の他に,新たな調査も遂行できたことから,自己点検結果として「①当初の計画以上に進展している。」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においては,計画の大きな変更や問題点はない。ただし,本研究に参加を希望する協力機関(札幌市衛生研究所,高知県環境研究センター)があり,新たに2地点(札幌白石,香北:フィルターパック法とパッシブサンプラー法)の調査結果が得られる予定である。また,昨年度の経験により,本年度はより効率的に集中観測を行い,新たに夏期の観測結果を得て,大気中酸化態窒素成分の組成および挙動を明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は,以下に示す通り,研究費を使用する計画である。 物品費600千円,旅費500千円 物品費の使用目的:全国9地点で,大気中酸化態窒素成分濃度の調査を実施するための消耗品を,また集中観測のための消耗品を購入する。 旅費の使用目的:学会等における成果発表,調査結果の収集などのための会合および集中観測に使用する。
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[Presentation] EVALUATION OF AEROSOL AND GAS DEPOSITION IN FOREST ECOSYSTEMS IN NORTHERN JAPAN.2012
Author(s)
Noguchi, I., Matsuda, K., Yamaguchi, T., Takagi, K., Fukazawa, T., Murao, N., Hayashi K.
Organizer
The International Symposium on Aerosols in East Asia and Their Impacts on Plants and Human Health.
Place of Presentation
小金井市
Year and Date
20121129-20121201
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