2013 Fiscal Year Research-status Report
レジオネラ症患者由来と環境由来SG1株間の疫学的及び病原性相違に関する研究
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24510038
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大野 章 東邦大学, 医学部, 講師 (40223903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 尚之 東邦大学, 医学部, 准教授 (50104154)
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Keywords | Legionella pneumophila / Serogroup1 / PCR based sequencing / MLST / Lvh typeIV SS / 65 kb pathogenic island / Acanthamoeba castellanii / Genome sequence |
Research Abstract |
平成24年度では、Legionella pneumophila serogroup1(SG1)のPCR based subgroupingおよびMulti-locus sequence typingを臨床分離株50菌株、冷却塔水由来34菌株、温泉水由来29菌株を対象に実施した。その結果臨床分離株と、環境株ではSG1 subgroup、またSTタイプに違いがあり、さらに環境株においても冷却塔水由来と温泉水由来で違いがあることを明らかにした。 平成25年度では、strain特異的遺伝子で水平伝播が推定されるLvh Type IVA secretion system(SS)および65kb pathogenic island(PI)の有無をPCRにより確認した。その結果Lvh Type IVA SSでは臨床株よりも環境株における保有率が高く、一方65kb PIの保有率は臨床分離株および温泉分離株で低く、また冷却塔水株のみがきわめて高い保有率を示すことを明らかにした。結論として臨床分離株ではSG1subgroup、STに高い多様性が見られ、反対に冷却塔由来株では特定のsubgroupおよびSTタイプのSG1株で占められ、そして温泉由来株は両者の間にあることが明確化された。 さらにそれぞれの由来株集団の特徴を代表する菌株を混合して、Acanthamoeba castellanii ATCC30234に対する感染実験を実施した。予想では臨床分離株が優勢になると考えたが、実際は感染3時間後では冷却塔由来株が優勢に増殖し、24時間後には温泉由来株が優勢となる置換現象が再現性を持って確認できた。さらに3時間後に優勢となったA27株、24時間で優勢になったB4株に対して次世代シークエンサーによる全ゲノム解析を実施し、B4株においてより多彩な菌株特異的遺伝子が存在することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度においてすでに25年度分の研究の一部を先行して実施してきた結果、25年度予定の研究すなわちLegionella pneumophila菌株特異的、水平伝播遺伝子の有無の確認は前半にて終了した。さらにアメーバ等に対する感染実験もほぼ終了し、当初の計画には無かったが、研究の進展から、解析が急遽必要となったアメーバ感染実験に用いた菌株のゲノム解析を行うことまで研究が進展した。これが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究として、できれば本研究で明らかになったLegionella pneumophila SG1臨床分離株と環境分離株の特徴の違いをより明確にし、感染の場は環境であるのに、なぜ臨床から分離されるSG1株は環境と特徴が異なるのかについて検討したい。そのためには、さらにゲノム解析を追加するとともに、contigs配列からアノテーション解析につなげ、また臨床分離株と環境分離株の塩素耐性の相違の有無についても解析しようと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
使用する実験器材等について、微生物感染症学講座に共有するストックが多くあったため、そちらを先に使用していたことなどで、結果として未使用金額が生じた。 使用額については、26年度実験予定の培地購入費、ゲノム解析、さらには論文投稿費用などに使用する計画である。
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Research Products
(1 results)