2012 Fiscal Year Research-status Report
水害廃棄物処理計画策定とその実効性確保のための研究
Project/Area Number |
24510051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡山 朋子 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (20418734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 修久 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00399619)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水害廃棄物 / 防災 / 廃棄物処理計画 / 実効性 / ボランティア |
Research Abstract |
本研究は、我が国で頻発する災害である水害について、自治体が被災した際に発生する水害廃棄物への対策をあまり講じておらず、従って水害廃棄物処理計画の策定もあまり進んでおらず、策定されていたとしても実効性に多くの課題が残されていることへの問題意識から始まっている。本研究は、実効性の高い水害廃棄物処理計画を策定するための自治体支援を実際に行い、自治体の水害廃棄物処理計画策定に資する、計画策定手法の開発と提案、ならびにモデル計画の試行を目的としている。 当該年度は初年度であることから、まず全国自治体における水害廃棄物処理計画策定状況の把握をアンケート調査によって行った。都道府県を含む1790のすべての自治体に調査票を配布し、うち962の自治体から回答を得た(有効回答率53.7%)。その結果、災害廃棄物処理計画を策定しているという自治体は21.6%、地域防災計画内で策定しているという自治体は41.8%、策定していないという自治体は35.8%であった。従って、いまだ3分の1以上の自治体では災害廃棄物処理計画を策定していないということが分かった。 また、水害事例調査を大分県日田市、竹田市、熊本県熊本市、阿蘇市で実施した。水害廃棄物処理には多くの災害ボランティアの活動を得ることが重要であることに注目し、どのようにどのくらいの人数の災害ボランティアを受入れ、資機材の調達とその量を調査した。この調査からボランティアの活動状況がよく分かる非常に良い資料を発見したが、これらの資料は閲覧しかできず、今年度は詳細な分析を行うことができなかった。実効性の高い水害廃棄物処理計画策定のためには、ボランティアマニュアル導入が有効であるが、これは次年度の課題として残された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国の自治体における水害廃棄物処理策定状況については、ほぼ把握できた。これによって本研究がやはり必要であることが再確認され、さらに詳細に社会調査の結果を分析するとともに、実際の災害廃棄物処理計画策定に活かしていきたい。 事例調査についても、本年度は水害に見舞われた4都市を訪問し、市役所の災害廃棄物担当課および社会福祉協議会、さらに被災者数名にインタビュー調査を行った。これによって、実際に災害ボランティアがどのように活動したか、その受入と活動における課題を抽出することができた。この関係アクターに対する災害対応の実態の調査は、本来は次年度に実施する予定であった。従って、実際の研究計画よりもやや先に進んでいると言える。 従って次年度は残されている課題について追加の事例調査を行い、災害ボランティアマニュアルの策定および水害廃棄物処理計画策定に活かしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
水害時には災害ボランティアを受入れ、ボランティアと連携した水害廃棄物搬出・処理が重要であるという視点で、本年度は災害NGOであるレスキューストックヤードの協力を得て調査を実施した。引き続き、被災自治体における市役所の災害廃棄物担当課および社会福祉協議会、さらに被災者といった関係アクターへのインタビュー調査を実施し、この結果を水害ボランティアマニュアルとしてまとめていきたい。 当該年度に把握できた全国自治体の水が廃棄物処理計画策定に関する実態についても、学会および論文発表等行っていく。 また、自治体の行政計画策定においてはコンサルタント会社が策定することが多くある。この現状をふまえ、経験の多いコンサルタントと意見交換し、研究協力する必要があることがわかった。コンサルタントとの意見交換および協力要請を次年度の課題としたい。 さらに当該年度は具体的にモデル計画を策定する自治体として愛知県碧南市ほかいくつかの自治体と交渉したが、どこも担当者の一存で進めることができず、モデル計画策定のフィールド獲得に苦慮している。この点についても、引き続き愛知県岡崎市等との交渉を進め、モデル計画の策定につなげていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)