2012 Fiscal Year Research-status Report
環境保全、多様な選好、長期の時間軸の3要素を統合する市町村森林計画手法の開発
Project/Area Number |
24510055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
高橋 卓也 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (20336720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 進 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70204146)
香川 雄一 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (00401307)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 合意形成 / 土地利用計画 / カナダ |
Research Abstract |
森林計画の実態について市町の林務職員、県の林務職員よりの聞き取り調査を実施した。また、各主体の選好について、森林所有者、森林管理団体、環境保護団体よりの聞き取り調査を実施した。その結果、森林計画の実質化また基礎自治体たる市町村が自律的に森林計画を策定するには、適切な手法が必要とされること、また、各主体が理解しやすい地図化などの表現方法が必要とされることがわかった。また各主体の選好内容および相違点があきらかになった。 また、最適化手法に基づく森林計画についての国内外の文献収集を行った。その結果として、1970年代より森林計画学分野において最適化手法の適用は試験的に行われてきたものの、実用化されてはおらず、実用化の阻害要因の究明も必要とされることを認識した。 加えて、滋賀県内の林木の伐採搬出費用などの費用についての資料を収集した。 線形計画法による森林計画の最適化プログラムを入手、実行し、その有効性を確認した。今後必要とされる、最適化、数理計画に関する基礎的な検討を実施した。 シミュレーション(セル・オートマトンによる分散型シミュレーション)についてはその手法に習熟するため、環境に配慮した森林管理手法の普及についてのモデルを作成し、実行した。その結果、長期間にわたる森林管理の分布の変遷が長期にわたって、追跡できることが判明した。また、その変遷が可視化でき、多くの人々に理解されやすいことも確認できた。 地理学的な研究対象地域の基礎的条件の検討、GIS応用の試行も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所期の目的の多くを達成できた。 ただし、以下の課題の解決に努める必要がある。 妥協最適化による森林計画プログラムを実行できなかった。この原因は、異なる選好の定式化が遅れているためである。 また、海外の先進手法を適用するための前提としての、海外の研究者との交流が、相互の時間的都合により十分にできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
妥協最適化の定式化を進め、小規模な範囲から実行する。また、セル・オートマトンによるモデルも実際の市町の森林計画への適用を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
分析のための機材の購入を実施する(約50万円を想定)。海外(カナダ)の事例研究や国内の研究者との意見交換のため旅費を使用する(約70万円を想定)。データの整理、入力のため研究補助者の雇用、精通者への支払いを行なう(約50万円を想定)。関連学会などへの参加費などの支払いを行う(約30万円を想定)。
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Research Products
(7 results)