2013 Fiscal Year Research-status Report
核分裂中性子の胎児期変異原性と関連毒性に関する研究
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24510075
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤川 和男 近畿大学, 理工学部, 教授 (90247958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 哲二 近畿大学, 理工学部, 教授 (30351563)
加川 尚 近畿大学, 理工学部, 講師 (80351568)
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Keywords | 核分裂中性子 / 変異原性 / マウス胎児 / 奇形 |
Research Abstract |
放射線による奇形誘発に最高感受性を示す時期の胎児マウスと出生後8週の成体マウスに対する原子炉放射線の照射実験を行い、いずれの照射でも有意な体細胞突然変異誘発効果が認められた。原子炉放射線に含まれるガンマ線の効果を補正して得た核分裂中性子による突然変異誘発率を算出したところ、胎児期照射と成体照射の間にこの誘発率に有意な差が認められなかった。 加えて,平成26年度に予定していた原子炉放射線による染色体異常(胎児赤血球における小核)誘発実験を行い、核分裂中性子の顕著な染色体損傷性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、奇形誘発に感受期と抵抗期の胎児に対する原子炉放射線の照射実験を予定通り実施し、核分裂放射線の生物学的効果比を算出する上で必要な高線量率X線と低線量率ガンマ線に対する胎児の突然変異応答に関する実験データも得ている。また、前倒しで行った原子炉放射線による胎児赤血球における小核誘発実験も成功裏に終えている。ただし、データ解析の過程でさらなる情報が必要になる可能性は否定できない。
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Strategy for Future Research Activity |
原子力規制委員会の方針と文科省の通達により、平成26年度における本学原子炉の使用が不可能になった。そこで、上述のように当該年度に予定していた実験を前倒しで実施したが、染色体異常誘発に関する核分裂中性子の生物学的効果比を推定する上で必要なデータは全く得られていない。今後はこのデータを得るためにX線による胎児赤血球の小核誘発実験を実施する。同時に、突然変異についてすでに得られているデータ解析を本格的に開始し、不足している実験データが明らかになれば、追加実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、主に研究補助員の3月分の人件費である。 研究補助員の3月分の人件費および雑費とする。
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Research Products
(2 results)