2013 Fiscal Year Research-status Report
次世代シーケンサーを用いた放射線のラット未熟卵母細胞に及ぼす遺伝的影響評価
Project/Area Number |
24510079
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
佐藤 康成 公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 研究員 (30393424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小平 美江子 公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 室長 (60344412)
浅川 順一 公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 主任研究員 (10359458)
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Keywords | 次世代シーケンサー / 放射線継世代影響 / 女性被曝 / 突然変異 |
Research Abstract |
本研究では、ヒト女性における放射線被ばくの継世代リスクを解明するためのモデルとして、放射線照射した母ラット由来のF1ラットにおける突然変異の頻度とスペクトラムを明らかにしようとしていたが、ラットでの実施に困難があったため、対象を放射線照射した母マウス由来のF1マウスへと変更した。 4Gyのγ線を照射した雌マウスC57BL/6を直ちに雄マウスC3Hと交配させ得られたF1マウス3匹と、照射前の交配により得られたF1マウス3匹、及び両親マウスの合計8匹の脾臓から抽出したDNAの全ゲノムシーケンスを行った。100bpのペアエンド法により1匹あたり約90ギガベース分のデータを得た。東京工業大学との共同研究により、国立遺伝学研究所のスーパーコンピューターシステムを利用することで、父マウスと母マウスには検出されず、F1マウスにのみ検出される突然変異候補を得た。今後は、それぞれの突然変異候補について、サンガー法による検証を行っていく。塩基置換、挿入、欠失といったそれぞれの突然変異について母マウスへの放射線照射前に産まれたF1マウスでの突然変異率と照射後に産まれたF1マウスでの突然変異率を決定し、放射線が母マウスの成熟卵母細胞へ与える影響についての解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
母マウスに放射線を照射する前に産まれたF1マウス3匹と照射後に産まれたF1マウス3匹、ならびに父マウスと母マウスの合計8匹について100bpのペアエンド法による全ゲノムシーケンスを実施し、1匹あたり約90ギガベース分の生シーケンスデータを得た。東京工業大学との共同研究により、国立遺伝学研究所のスーパーコンピューターシステムを利用することで、父マウスと母マウスには検出されず、F1マウスにのみ検出される突然変異候補を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
父マウスと母マウスには検出されず、F1マウスにのみ検出される突然変異候補について、サンガー法による検証を行っていく。塩基置換、挿入、欠失といったそれぞれの突然変異について母マウスへの放射線照射前に産まれたF1マウスでの突然変異率と照射後に産まれたF1マウスでの突然変異率を決定し、放射線が母マウスの成熟卵母細胞へ与える影響についての解明を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究においては、全ゲノムシーケンスを実施したが、申請時の見積額よりも実施時の精算額が安価であったため、差額と利息の未使用分が生じた。 この差額部分については、全ゲノムシーケンスにより検出される突然変異候補を実験的に検証するための試薬消耗品を購入するために、次年度使用額として計上して次年度に使用する。
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