2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンサーを用いた放射線のラット未熟卵母細胞に及ぼす遺伝的影響評価
Project/Area Number |
24510079
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
佐藤 康成 公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 研究員 (30393424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小平 美江子 公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 研究員 (60344412)
浅川 順一 公益財団法人放射線影響研究所, 遺伝学部, 主任研究員 (10359458)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線の継世代リスク / 女性被ばく / 全ゲノムシーケンス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト女性における放射線被ばくの継世代リスクを解明するためのモデルとして、当初計画していたラットの代わりに放射線照射した母マウス由来のF1マウスを用いて、突然変異の頻度とスペクトラムを全ゲノムシーケンスにより解明することを目的とした。マウスの未熟卵母細胞へ放射線を照射した場合、高い放射線感受性のためにほとんどの細胞が死ぬが、成熟卵母細胞への照射の場合は、産仔数の減少は見られず精原細胞照射の場合の2倍程度の突然変異がF1マウスに観察されることが過去に報告されている。このため、放射線照射された成熟卵母細胞由来のF1マウスの解析を行った。4Gyのγ線を照射した雌マウスC57BL/6を直ちに雄マウスC3Hと交配させ得られた雄F1マウス3匹と、照射前の交配により得られた雄F1マウス3匹、及び両親マウスの合計8匹の脾臓から抽出したDNAを用いてIllumina Hiseq2000により全ゲノムシーケンスを実施した。100bpのペアエンド法により1匹あたり約90Gb分のデータを得て、国立遺伝学研究所のスーパーコンピューターを利用して、BWA-mem、samtools/GATKによる解析を行った。1匹あたり約600万のSNVとIndelについての情報を得た。サンガーセンターでC3Hの多型として報告されているSNVと父マウス/母マウスに検出されるSNVを除いたSNVから、1匹のF1マウスにのみ検出されるが、他の兄弟F1マウスと父母のマウスには検出されない突然変異候補を抽出すると、1匹あたり約10個の一塩基置換型の新規突然変異候補が得られた。母親への照射後に産まれたF1マウスに、照射前に産まれたF1マウスよりも多くの塩基置換型突然変異が観察された。
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