2014 Fiscal Year Annual Research Report
カエル後期発生における奇形と変態遅延に関するトリアジン系除草剤の比較毒性学的研究
Project/Area Number |
24510088
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Research Institution | Kyoto Prefectural Institute of Public Health and Environment |
Principal Investigator |
坂 雅宏 京都府保健環境研究所, 水質課, 主任研究員 (80419192)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 除草剤 / トリアジン / カエル変態試験 / ネッタイツメガエル / 成長阻害 / 発生遅延 / 催奇形性 / 甲状腺 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 本研究課題において、カエル変態試験による毒性研究の対象とされるトリアジン系除草剤は7種である。7種の除草剤によるカエル変態試験はすべて、前年度までに終了しており、成長・発達の阻害作用と、脊椎わん曲をもたらす催奇形性が、すべての除草剤について認められた。平成26年度は、ホルマリンに浸漬・保存された供試個体を用いて、甲状腺組織の病理観察を行った。いずれの除草剤についても、甲状腺全体の大きさは除草剤の濃度に依存して小さくなる傾向が見られたものの、抗甲状腺物質により誘導される典型的な病理変化、すなわち、ろ胞細胞の肥厚化を伴う甲状腺組織の肥大は観察されず、トリアジン系除草剤による成長・発達の阻害は、甲状腺機能の撹乱により生じたものではなく、別の作用機序によることが強く示唆された。 (2) 前年度までに得られた結果については、国内外の関連する学会等において発表するとともに(国際学会2回、国内学会2回)、研究代表者が所属する研究機関のホームページ上でも、その概要を公表した。 (3) 本研究課題に関する論文発表は、前年度までに2報行っている。平成26年度は、その最終報告となる論文を執筆し、年度内に投稿する予定であった。しかし、上記(1)の作業(供試験個体を用いた甲状腺の組織切片作成とその観察)に、予想以上の時間を要したため、最終の論文(国際誌での掲載を予定)は現在執筆中であり、年度内の投稿には至っていない。このため、最終の論文発表は課題終了年度以降となるが、近日中に投稿を完了できる見込みである。
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