2015 Fiscal Year Annual Research Report
ビスフェノールのバイオセンシングシステムとバイオレメディエーション技術の創成
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24510091
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
荷方 稔之 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30272222)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 走化性 / フェノール類 / クロロフェノール / ビスフェノールA / Stenotrophomonas / maltophilia |
Outline of Annual Research Achievements |
フェノール類に走化性を示す細菌Stenotrophomonas maltophiliaの走性特性を網羅的に調査するため,本年度はchlorophenolを含むハロゲン化フェノール走性について,走化性センサー遺伝子の同定と解析を行った。 野生株は1.0mM p-chlorophenolに対し集積応答(7.8cells/sec・OD660)を示した。走化性センサー遺伝子mcp5とmcp6の破壊株Δmcp5, Δmcp6の応答は,野生株のそれと比較してそれぞれ59%, 13%減少した。さらにmcp5を導入した株は走性が復帰したことから,mcp5はp-chlorophenolの走性センサー遺伝子であることを確認した。またS. maltophilia は1.0mMのp-bromophenol及びp-iodophenolに対してそれぞれ13, 16 (cells/sec・OD660)と,同濃度のp-chlorophenolよりも強い応答を示した。両化合物のmcp5, mcp6単独破壊株における走性応答はいずれも減少したことから,少なくとも走性応答に関与することは確認できたが,p-chlorophenolに対する応答における減少率(59%)の半分以下であった。このことから両走化性センサーはハロゲンの種類により,応答感度が大きく異なることがわかった。さらに走化性センサー遺伝子の多重破壊株を用いて両化合物に対する走性を測定したところ,Δmcp1,5,6,8,11の応答がΔmcp5,6,8,11の応答に比べてp-bromophenolで42%,p-iodophenolで59%と大きく減少したことから,mcp1がこれらの化合物に対する走性応答の主要なセンサーであると考えられた。
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