2013 Fiscal Year Research-status Report
高活性鉄酸化細菌の解析と電気培養菌固定化による重金属回収システムの構築
Project/Area Number |
24510100
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 文章 岡山大学, 環境管理センター, 准教授 (90294446)
|
Keywords | 鉄酸化細菌 / A. ferrooxidans / 高活性株 / 環境浄化 / 資源回収 / 生化学的解析 / 電気培養 / 微生物固定化 |
Research Abstract |
高活性鉄酸化細菌として,主に Acidithiobacillus ferrooxidans の 2株について検討している。A. ferrooxidans MON-1は,水銀に強い耐性を持ち,無機あるいは有機水銀から金属水銀として還元気化する高い活性を持っており水銀汚染土壌,水銀廃液処理等の環境浄化に活用できる。また,A. ferrooxidans D3-2 株は,高度な銅リーチング活性,すなわち銅鉱石等に対して銅の溶出が著しく高くバクテリアリーチングに用いられる。この 2株と従来から様々な諸性質がよく判明されている標準株の A. ferrooxidans ATCC 23270 株について,鉄酸化酵素系等に係わる鉄酸化活性,金属水銀(Hg0)気化活性,亜硫酸酸化活性,重金属溶出活性,Cytochrome c oxidase 等の諸性質について比較検討しており,環境浄化及び資源回収における基礎資料を得ることを目的としている。これらの菌株は,増殖が遅いために,新たに開発した電気培養装置を用いて従来法よりも数百倍の高濃度培養が可能となり,重要な酵素の精製を進めやすくなり,酵素精製において効率のよい培養条件を得た。本株は鉄と硫黄の両方を酸化できるが,硫黄酸化の際にも鉄酸化の末端酸化酵素が機能することを示すデーター得ている。また,A. ferrooxidans が3価鉄を還元し,2価鉄を生成する鉄還元酵素活性を持つことを確認しており,重金属回収に係わる機能を解明している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電気培養装置による培養において,菌体収量が多くて酵素精製において収量等の効率がよい培養条件等について知見が得られた。また,電気培養液からCyt. c oxidase,Ubiquinol oxidase等の精製を継続的に行い,関連酵素等の諸性質についての検討が進んだ。今後の実用化に関する固定化等に関する検討はさらに進めて行く。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在得られている高度活性株の生化学的諸性質を進める一方,更に調製し耐性及び活性を強化した超高度活性株について諸性質の検討を行う。 今回開発して作成した電気培養装置について,更に広く使いやすい装置としての改善するための検討を進めている。 高濃度培養及び洗浄細胞について固定化システムについて検討する。固定化するたに生物膜法(多孔質物質等の担体へ菌体を生物膜として付ける方法)は,従来から進めてきた。今後は微生物の固定量が明確な方法として包括法(固定化物の中に微生物を封じ込める方法)について検討を行うとともに,高度活性株の保存方法について検討を進める。 さらに,高活性鉄酸化細菌による重金属回収システムに関する応用技術についてまとめる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に作成した電気培養装置の修理及び改良について検討を進めている。平成25年度予算を平成26年に繰り越し電気培養装置の修理及び改良を行う。 電気培養装置の反応部の修理及び改良についての設計を行い,より広範囲の分野で使用可能装置として平成26年度に完成させる。
|