2012 Fiscal Year Research-status Report
革新的省工程プロセスによるアップグレードリサイクル技術の創生
Project/Area Number |
24510107
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽賀 俊雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00212134)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リサイクル / ロールキャスティング / 双ロールキャスター / クラッド材 / 複合材料 / スクレイパー / 接合界面 / 連続鋳造 |
Research Abstract |
1.研究内容:不純物の無害化により延性の劣化を防いだリサイクルアルミニウム合金と不純物の分散強化により強度を増したリサイクルアルミニウム合金より作製した延性と強度に優れた2層クラッド材の創生技術の確立を目指した.目標達成の判断基準は,深絞りでLDR値が1.8以上,180曲げが可能なこととした. 2.調査項目と調査方法:これまでの双ロールキャスティングの研究により無害化により延性が劣化しないリサイクル材A,延性は劣化するが強度が向上するリサイクル材Bから延性と強度を兼ね備えたクラッド材を創生するため,以下について調査を行った.(1)接合強度: 180℃曲げ,冷間圧延,引裂き試験.(2)界面での元素の拡散の有無:線分析,面分析.(3)延性,成形性:深絞り試験,180度曲げ 3.2層クラッド材作製の条件(加工用アルミニウム合金使用):リサイクル材Aは,延性は劣化するが強度が向上するリサイクル材,リサイクル材Bは無害化により延性が劣化しないリサイクル材,である.これらから延性と強度を兼ね備えたクラッド材を創生するため,次の条件で実験を行った.(1)リサイクル材A:5000系,4000系,AC4Cのリサイクル材.(2)リサイクル材B:3000系,8000系のリサイクル材. 4.結果:上記の条件で2層クラッド材の作製を行うことが可能であった.一般的に5000系アルミニウム合金のクラッド化は難易度が高いとされているが,本研究で開発した方法によりクラッド材を容易に作製することが可能であった.またAC4Cのような鋳造用合金であっても,クラッド化することで180°曲げとLDR1.8の深絞りが可能であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の結果によりおおむね順調であると判断した. 1.2層クラッド材作製用の双ロールキャスターを作製してクラッド材が作製可能であることを確認した. 2.3003と5182または3003とAC4Cのクラッド化が可能であることを確認した.特にMgを含む5182のクラッド化は大変困難であり,溶湯からクラッド材を作製したのは世界初であると思われる. 3.3003と鋳造用合金であるAC4Cのクラッド材では180°曲げが可能であり,深絞りにおいてLDR1.8を達成することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
1.研究内容:不純物の無害化により耐食性の劣化を防いだリサイクルアルミニウム合金と不純物の分散強化により強度を増したリサイクルアルミニウム合金より作製した耐食性と強度に優れた3層クラッド材の創生技術の確立.深絞りでLDR値が1.8以上,180曲げが可能なこと,および耐食性が現行品と同等を目標とする. 2.調査項目と調査方法:延性は劣化するが強度が向上するリサイクル材A,無害化により耐食性が劣化しないリサイクル材Cから耐食性と強度を兼ね備えたクラッド材を創生するため,平成24年度の調査項目に耐食試験(塩水噴霧)を付加する. 3.3層クラッド材作製の条件(加工用アルミニウム合金使用).(1)リサイクル材A:5000系,4000系または鋳造用合金のリサイクル材.(2)リサイクル材C:1000系,3000系のリサイクル材
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画は以下のとおりである. 1.実験装置の作製および実験に使用する消耗品費. 2.研究成果の発表および情報収集のための旅費.
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