2013 Fiscal Year Research-status Report
革新的省工程プロセスによるアップグレードリサイクル技術の創生
Project/Area Number |
24510107
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽賀 俊雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00212134)
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Keywords | 双ロールキャスター / 縦型双ロールキャスター / 縦型タンデムタイプ双ロールキャスター / スクレイパー / スクレイパーを装着した双ロールキャスター / アルミニウム合金 / クラッド材 / 積層材 |
Research Abstract |
3003を耐食性に優れる材料として表材とし,5182と6022,AC4Cを強度が優れる材料として芯材としてクラッド化を試みた.目的を達成するために縦型タンデム型双ロールキャスターと縦型双ロールキャスターにスクレイパーを装着したクラッド材作製用双ロールキャスターを比較した.縦型タンデム型双ロールキャスターは3層のクラッド材を,スクレイパーを装着した双ロールキャスターは2層のクラッド材をそれぞれ作製することができる.3003合金は5182,6022,AC4C合金より融点が高いため,3層クラッド材で3003を表材とした場合は芯材が溶解してしまった.そこで5182,6022,AC4C合金芯材,3003合金を表材とした場合は,スクレイパーを装着した双ロールキャスターを使用してクラッド材を作製し,特性を調査した. スクレイパーは2種類の合金の混合を防ぎ,板の厚さを調節するための凝固距離の設定に使用する.スクレイパーは温度が高い方の合金,ここでは3003に使用した.ロールとスクレイパー間より3003合金板を引出し,温度が低い強度が高い方の材料と接合させた.クラッド比は,凝固距離により調節することが可能であった.最も融点が低く,かつ延性に乏しいAC4Cを芯材とした場合においてもAC4Cが再溶解せずに 接合界面が明瞭なクラッド材を得ることができた.3003を外側にした180度曲げでは外表面にクラックを発生せず,接合界面において剥離も発生しなかった.AC4C単体では外表面にクラックが発生した.また,深絞りにおいてもLDRの値は1.8を得ることができた.この結果よりクラッドすることで鋳造用合金を成形用に使用することができると考えられる.アップグレードリサイクルを達成できたと言っても過言ではないと思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予測通りに高強度材と延性が優れている材料をクラッドすることで,深絞りや180度曲げが可能になることが明らかになった.Al-Mg系の5182の3層クラッド材は,Mgの酸化により接合が良好ではないことが明らかになったが,スクレイパーを使用すれば,2層クラッド材の作製は可能であることを明らかにして,Al-Mg合金のクラッド材に関する問題は解決できた.鋳造用合金のAC4Cと展伸用合金の3003のような延性が全く異なる材料においても180度曲げや深絞りにより剥離が発生せず,実用性が高いことを示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
タンデム型双ロールキャスターによる3層クラッド材とスクレイパーを装着した双ロールキャスターの方が汎用性が高いかことが明らかになった.しかし,クラッド比を大きくすることが容易ではない.また,接合界面が平たんではない.実用性の視点からは,3層である必要はなく,2層で十分である.平成26年度は鋳造用合金と缶材のクラッド化が研究内容であるが,芯材の鋳造用合金をより厚くできるプロセスの開発を行う.実験装置の設計・製作から行う予定である.融点が低い鋳造用合金(芯材)が融点が高い缶材の3003(表剤)により再溶解しない工夫が必要である.
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Research Products
(1 results)