2014 Fiscal Year Annual Research Report
環境浄化システムで利用するビスフェノール類化合物分解菌の分子育種に関する研究
Project/Area Number |
24510108
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
松村 吉信 関西大学, 化学生命工学部, 准教授 (40268313)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Sphingomonas属細菌 / 環境汚染物質 / Bioremediation / 次世代シーケンサー / プラスミド編集 / monooxygenase / cytochrome P450 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究ではSphingomonas bisphenilicum AO1株の全ゲノム塩基配列の決定とpBAR1にコードされているビスフェノールA(BPA)分解に関わる酵素遺伝子を用いた環境汚染物質分解能の向上、その安定性の改善を試みた。全ゲノムの塩基配列決定はIllumina社とRoche社の次世代シーケンサーおよびCLC Genomics Workbenchを用いた。その結果、AO1株の塩基配列情報は98個のコンティグに集約され、総塩基数が5,100,996bp、20,137個のORFがコードされていた。 次に、環境汚染物質分解に関わる遺伝子がコードされているプラスミドpBAR1の詳細解析を試みた。pBAR1は総塩基数80,317bp、67個の遺伝子がコードされていた。BPAを含む環境汚染物質分解に関わる遺伝子として、bisdA (ferredoxin)、bisdB (cytochrom P450 monooxygenase)、had (haloacid dehalogenase-like hydrolase)、adh (aldehyde dehydrogenase)、lsd (lignostilbene-α,β-dioxygenase)、bisdF (4-hydroxybenzoate 3-mono-oxygenase)が確認された。一方、半数以上の推定遺伝子がトランスポゾンや接合伝達などのDNA稼働に関わる遺伝子であり、これら遺伝子領域が環境汚染物質分解遺伝子の欠落の原因と予想された。そこで、環境汚染物質分解に関わる6個の遺伝子からなる組換えプラスミドを構築し、AO1株の環境汚染物質分解能の向上を試みた。組換えプラスミドからの遺伝子発現は確認されたが、顕著な分解能の向上は確認されなかった。今後、AO1株における遺伝子発現システム効率化に取り組む必要がある。
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