2013 Fiscal Year Research-status Report
放射能除染に適する電気透析装置とそのイオン交換膜の研究開発
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24510109
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
陳 進華 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (30370430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅春 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門量子ビーム応用研究センター, 研究嘱託 (50370341)
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Keywords | 高分子イオン交換膜 / 電気透析 / 放射線グラフト重合 |
Research Abstract |
電気透析では、イオン交換膜と電力を利用してイオン性物質を分離できるため、陽極及び陰極の間に、陰イオンのみを透過させる陰イオン交換膜と陽イオンのみを透過させる陽イオン交換膜を交互に配置し、原水を流すことで、イオン性物質が除去できる。 電気透析の最も重要な構成部材であるイオン交換膜は、主として化学的な方法で作製されているが、特性などはほとんど明らかにされておらず、十分に実用的なものが得られているとは言い難い。そこで、我々は、高分子フィルムを基材として、放射線グラフト重合を利用することで、様々な陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を作製し、電気透析用イオン交換膜としての必要性能を評価した。更に、セシウムイオン水溶液を模擬溶液および電極液とする、模擬溶液を用いてセシウムイオン分離効果を評価した。その結果、作製した グラフト型イオン交換膜のイオン性物質の除去速度はイオン交換容量の増加とともに速くなる一方、イオン性物質の最大除去率はイオン交換容量の減少とともに増加することが分かった。また、アニオン交換膜及びカチオン交換膜の合成条件の最適化を行い、10cmx10cmほどの大面積イオン交換膜の合成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の目標として、アニオン交換膜及びカチオン交換膜の合成条件の最適化をするとともに、大面積を有する膜を大量に合成する。合成したアニオン交換膜とカチオン交換膜を小型電気透過装置にセットし、模擬放射能汚染水及び放射線汚染水を原水として、その除染効果及び経済特性を評価する。 膜の合成条件の最適化条件を確立した。また、模擬汚染水を原水としての電気透析条件を行い、エネルギー効率などの経済特性を試算した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、アニオン交換膜及びカチオン交換膜の電気透析実験結果を基に、膜の更なる高機能性を目指す。また、電気透過実験結果をもとに、電気透析装置の構造を最適化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入した電気化学測定システムが予定価格より低い価格で購入できたこと、及び溶媒や試薬などが予定量より少量で、かつ数社から見積りを行い、より安い価格で入手可能であった。 実験に使用する溶媒や試薬、学術調査などに使用する。
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