2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24510110
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
野田 和俊 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理研究部門, 主任研究員 (60357746)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水晶振動子 / 環境計測 / SPM / パーティクル / QCM / センサ / 粉じん |
Outline of Annual Research Achievements |
大気中の浮遊粒子状物質(SPM)について水晶振動子を利用した微量天秤測定手法(QCM)を応用して、特別な付加装置を使用することなくSPM を電極表面へ付着させるリアルタイム計測手法の検討を行った。 引き続きSPM が付着しやすい高分子膜の作成とその評価を行った。従来の重合膜と平行して、SiO2や酸化鉄、炭素などの無機系物質についても検討を進めた。無機系物質は、従来のポリテトラフルオロエチレン膜やプラズマ重合膜と比較して、エタノールやアセトンなどのVOCに対する検知感度は比較的小さいものの、湿度に対しては同等程度であることが分かった。 QCMを利用したSPM測定の場合、測定流量と測定時間の関係は重要である。今回の測定原理は、表面吸着質量を増加させる必要から流量を増やすことによって、吸着量を増やす手法を利用した。なお、一般的な質量測定の場合は濾紙等フィルターに吸着させるため、吸引ポンプの負荷が大きくなるが、QCMの場合は表面に衝突させるような形式での吸着を利用しているため、従来法と比較してポンプへの負荷も小さく、小型のポンプの利用が可能であることが分かった。 これらの結果をもとに、実験室以外のSPMが多い作業環境一定期間放置し、その吸着特性等の調査を行い、自然通気方式でも一定上のSPM吸着を確認し、本手法の有効性を明らかにした。また、吸着したSPMをSEMでの表面観察とEDXによる組成分析を行い明らかにした。 これらの基本的なデータを元に、個人曝露測定用システムについて検討を行った。人体やマスク内に装着可能なQCM測定器を試作し、温度や湿度、圧力(気圧)も同時に記録できるため、環境の影響評価も可能である。この試昨器を個人曝露測定目的に人体やマスク内に装着し、一定時間経過後のQCM測定結果を求めたところ、微量ながらSPM吸着を確認し、本測定システムの有効性を明らかにした。
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Research Products
(1 results)