2014 Fiscal Year Annual Research Report
アパタイトの各種形態(粉末、多孔体、薄膜)による放射性物質除去に関する研究
Project/Area Number |
24510111
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
尾関 和秀 茨城大学, 工学部, 准教授 (20366404)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 環境材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、当初の計画通り、スパッタリング法により膜厚1ミクロンのHA薄膜を作製し、その吸着能を評価した。ただし、Siドープについては、SiドープHA粉末について、Sr吸着に効果が認められなかったことから、作製は行わなかった。 HA薄膜面積300mm2のサンプルをSr濃度1E-6mol/Lの溶液に浸漬を行ったところ、浸漬後1分で22%程度の吸着率を示し、24時間後には25%の吸着率に達した。また、HA薄膜面積を600mm2に増加したところ、吸着率は面積が300mm2の時の2倍以上に上昇していた。HAの結晶性の影響に関しては、水熱結晶化温度を120℃と170℃にてHAを結晶化した薄膜の吸着率を測定したところ、170℃で結晶化した薄膜の方が120℃で結晶化した薄膜に比べて10%程度高い吸着率を示した。溶液中に溶出したカルシウムイオン及びリンイオン濃度を測定したところ、120℃の薄膜の方が、これらの溶出量が高かったことから、この膜の溶出が、Srの吸着に影響を及ぼしたと推測される。更に、膜厚を1ミクロンと2ミクロンに変化させて吸着実験を行った結果においては、1ミクロンの薄膜の方が2ミクロンの薄膜に比べ、約2倍の吸着率を示した。これは、1ミクロンと2ミクロンのHA薄膜では、結晶性が異なることが明らかとなっており、これが表面性状に影響を与えていた可能性が考えられる。 以上のことから、HAの形態が薄膜であっても、Sr吸着が可能であり、その吸着が短時間で行われていることが明らかとなった。
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