2014 Fiscal Year Annual Research Report
低線量放射線の最初期過程観測を目指した光結晶加速器の設計基盤の確立
Project/Area Number |
24510120
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
小山 和義 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 先端加速器推進部, 特定教授 (40357041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上坂 充 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30232739)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 誘電体加速器 / 放射線生物学 / マイクロビーム / 電子ビーム |
Outline of Annual Research Achievements |
H25年度成果; 光結晶加速器では格子定数を光の波長の80%にしただけで加速電界は10%に低下するので格子定数に傾斜をもたせて非相対論的エネルギーの電子を加速することは得策ではないことが分かった。格子定数を一定(レーザー波長に等しい)にした構造の場合の非相対論的エネルギーの電子に対する加速電界計算を行い、20keVと50keVの電子に対する加速電界はそれぞれ相対論的電子に対する場合の80%と13%が可能でることを明らかにした。加速電界は電子のエネルギーに対して周期的に変化し、加速菅内部でのレーザー電界の空間分布の高調波成分に起因することが分かった。誘電体の光学破壊と非線形光学効果の影響を加味したレーザー照射強度 (2GV/mの電界)の場合には、20keV、50keVと相対論的電子に対する加速電界はそれぞれ、48MV/m、78MV/m、600MV/mになる。レーザーパルスを電子の動きに合わせて動かすことにより必要なレーザーのエネルギーが少なくて済むことと上記の値を使うと、20keVの電子を1MeVに加速するためには、ピーク出力が20MWで幅が5psの10対の連続レーザーパルスで可能であることを明らかにした。そのときの加速菅の長さは4mmであり、バンチあたりの電荷量は約0.03fCと少ないが、ビームの大きさはサブミクロンであり、電荷密度は通常の加速器と同程度である。 全期間成果; 光結晶加速器の設計に必要な基本的パラメータ(寸法、レーザ仕様など)を明らかにした。加速電界分布の測定と電子加速予備実験のために、4種類の格子定数を持つテストピースの試作を行った。また、東京大に設置してあった12TWレーザーを本課題の他の研究でも使用するために、KEKに移設して機器の整備を行い、集光可能にした。 これらの成果は、論文誌3件、国内外の学会で5件の発表を行った(国際3件、国内2件)で発表した。
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