2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
栗巣 普揮 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00253170)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ガス放出速度 / 次世代加速器(ERL) / 電子銃 |
Research Abstract |
【研究目的】 次世代の高輝度放射光源には極低エミッタンスで大電流の電子銃が必要であるが、この電子銃を実用化するには1E-11 Paの極高真空の達成が不可欠である。これには、超低ガス放出特性(仕様値10-12 Pam/s以下)を持つ真空材料の探査並びにその表面処理が重要な開発要素となる。本研究では、申請者の研究成果である低ガス放出特性を持つチタン材料を装置の主な構成材料とし、新たな測定手段を採用することで、1E-13 Pam/s以下の非常に低いガス放出量を測定できる高性能なチタン製ガス放出速度測定装置を開発する。 【平成24年度の研究内容】 真空容器・配管、コンダクタンス可変機構の主要部をチタン材料としてチタン製ガス放出速度測定装置を開発・製造した。現有のターボ分子ポンプやスパッタイオンポンプそして非蒸発ゲッタポンプを取り付け装置として完成させた。現在、超高真空の到達の確認やコンダクタンス可変機構の動作確認を実施しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【到達圧力】 目標値1E-9Pa台に対し1E-7Paである。 真空ベーキング不足(特に非蒸発ゲッタポンプ)であることから、これを改善することで、達成できる見込みである。 【可変オリフィスの動作】 装置の組立公差や機械精度に起因する寸法ズレを吸収する機構としたことから、概ね順調に動作できている。今後、既知の極微量流量のガス導入により高い精度で確認する。
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Strategy for Future Research Activity |
【到達圧力】 真空チャンバ200℃,非蒸発ゲッタポンプ本体400℃として48hrs以上の長時間の真空ベーキングを行い、目標値1E-9台を達成させる。 【可変オリフィスの動作】 典型ガス(He,N2など)を極微量流量(1E-8 Pam3/s程度を想定)導入し、可変オリフィスが正しく動作することを確認する。 【ガス放出速度性能評価】 到達圧力1E-9Paと高精度な可変オリフィスの動作の確認できると、ガス放出速度測定範囲がある程度わかる。ここでは、測定下限を調査し、1E-13Pam/s台を達成させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発装置の試料管や真空配管そして真空計など真空部品の購入、加速器学会や真空学会での成果発表旅費に充当する。
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