2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510123
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
栗巣 普揮 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00253170)
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Keywords | ガス放出速度 / 次世代加速器(ERL) / 電子銃 |
Research Abstract |
[1]研究目的 次世代の高輝度放射光源には極低エミッタンスで大電流の電子銃が必要であるが、この電子銃を実用化するには1E-11Paの極高真空の達成が不可欠である。これには、超低ガス放出特性(仕様値1E-12 Pam/s以下)を持つ真空材料の探査並びにその表面処理が重要な開発要素となる。本研究では、申請者の研究成果である低ガス放出特性を持つチタン材料を装置の主な構成材料とし、新たな測定手段を採用することで、1E-13 Pam/s以下の非常に低いガス放出量(ガス放出速度)を測定できる高性能なチタン製ガス放出速度測定装置を開発することを目的とした。 [2]研究実績 平成24年度はチタン製ガス放出速度測定装置の主要部分について設計・製造した。 平成25年度は装置の到達圧力1E-9Paを達成し、可変オリフィス機構が設計どおりに動作することを確認し、結果として1E-13 Pam/s台の計測下限を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【到達圧力】長時間の真空ベーキング後の開発装置の到達圧力は1.5E-9Paに達した。これにより、当初の目標値1E-9Pa台を達成した。 【可変オリフィス機構の動作】 既知の極微量流量のガス導入(He校正リーク)により、可変オリフィス機構が設計どおりにコンダクタンスを可変できることを検証した。また、可変オリフィスの動作(直進と回転動作)による放出ガスも非常に少ないことがわかった。 【測定下限の調査】 開発装置を1E-9Pa台に到達させ、可変オリフィス機構を用いてコンダクタンス変更して圧力測定した。非常に小さいコンダクタンス(1E-3m3/s)を選択しても到達圧力は1E-8Paであった。以上より、開発したチタン製ガス放出速度測定装置の測定下限として1E-13Pam/s台を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は試料部について付属させてガス放出速度測定装置を完成させ、チタン材料など真空材料のガス放出速度について測定する。
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