2012 Fiscal Year Research-status Report
木質系バイオマス成分のアルコール変換技術と超微細構造膜によるアルコール濃縮
Project/Area Number |
24510128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
浅野 雅春 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 嘱託 (50370341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八巻 徹也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (10354937)
陳 進華 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30370430)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオマス変換技術 |
Research Abstract |
前年度、当初予定していた木粉を亜臨界条件下で加圧熱水処理して得た単糖類の分析がHPLCの検出器の違いからできなかった為、最終段階のアルコールを濃縮するための疎水性グラフト鎖を有する疎水性イオン穿孔膜とナノポーラス構造を持つナノ孔イオン穿孔膜の作製を検討した。疎水性イオン穿孔膜は(1)エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)膜のイオンビーム照射、(2)照射膜へのスチレンモノマーのグラフト重合の順に行った。照射イオンビームは56MeV 15N、150MeV 40Ar、450MeV 129Xeの3種に変化させ、潜在飛跡ができる限り重ならずお互いに孤立するよう、それぞれ3.0x10の9乗、3.0x10の8乗、3.0x10の7乗 ion/cm2のフルエンスで照射した。その結果、潜在飛跡には、中心のイオン軌道から動径方向に線量分布があるので、吸収線量0.5kGyをしき値としてその直径を定義し、上記15N、40Ar、129Xeの順にそれぞれ80,170,330nmと計算できることから、穿孔径を制御した疎水性イオン穿孔膜を作製することができた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた木粉を亜臨界条件下で加圧熱水処理して得た単糖類の分析がHPLCの検出器の違いからできなかった為、最終段階のアルコールを濃縮するための疎水性グラフト鎖を有する疎水性イオン穿孔膜とナノポーラス構造を持つナノ孔イオン穿孔膜の作製を検討したが、イオンビーム種を変更することで容易に穿孔径を制御できることが分かったことから疎水性イオン穿孔膜とナノポーラス構造を持つナノ孔イオン穿孔膜の作製に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
木粉などを加水分解して得られる単糖類を分析するためにはHPLCによる糖分析法が一般的であるが、検出器がRIの場合、検出感度が低く、グラジュエント分析ができない。分解した構成糖成分を精密に分析するためには、電気化学検出器が必要である。しかしながらこの検出器は高価であり、単年度予算では購入ができないため前倒し支払い請求を行った。これにより、効率よく木質系バイオマス成分を分析することができるため、分解の効率化とその成分が明らかになり、その先のアルコール変換と濃縮技術への飛躍的な進捗が期待できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は、購入予定の検出器を用いた糖分析法の確立とともに木粉の分解・分離に及ぼす放射線前処理と亜臨界条件下での加圧熱水処理を組み合わせることによりグルコース変換効率の向上を図る。また、得られた成果を何回かの学会で発表したい。
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