2014 Fiscal Year Annual Research Report
木質系バイオマス成分のアルコール変換技術と超微細構造膜によるアルコール濃縮
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24510128
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
浅野 雅春 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 嘱託 (50370341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八巻 徹也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (10354937)
陳 進華 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究主幹 (30370430)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオマス変換技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度、電気化学検出器を用いたHPLCによる糖の分析条件を確立した。 前年度は、ボールミルで粉砕した木粉の分解・分離に及ぼす放射線処理と亜臨界条件下の加圧熱水処理を組み合わせることにより、グルコースに変換できることを明らかにした。 最終年度は、これらの変換されたグルコースを用いて低温懸濁分散重合により微粒子表面および内部に取り込まれた酵母によるアルコール発酵の検討を行った。酵母はSaccharomyces cerevisiae, typeⅡを用いた。酵母/エチルプロピオネート /モノマーの混合液中で放射線重合させることにより固定化酵母微粒子を作製した。モノマーとしてはエチレングリコールジメタクリレート(1G)、ジエチレングリコールジメタクリレート(2G)などを用いた。粒子形成はモノマーの種類や組成、照射線量などにより変化した。たとえば、エチルプロピオネート/2G(20/80%)系における粒子サイズは0.8μmになった。この混合溶媒中の2G 組成量が多くなるほど粒子サイズは大きくなった。また、照射線量も高くなるほど粒子サイズが大きくなった。エチルプロピオネート/2G(20/80%)系に5wt-%酵母を分散させ-79℃の温度下で15kGy照射して得た酵母固定化微粒子(0.85μm)を用いて、30℃におけるアルコール発酵を検討した。時間の経過とともにサンプリングを行い、生成したアルコール、および原料グルコース濃度をHPLCで測定した。その結果、反応開始から14時間後にグルコース濃度はゼロになり、すべてアルコールに変換されることが分かった。また、酵母固定化微粒子を繰り返し使用することにより、その安定性を検討した。その結果、1回目の生成アルコール濃度に対して5回目においてもほぼ同程度のアルコールを生成していることが分かった。
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