2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
深澤 裕 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (30370464)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 米国オークリッジ国立研究所 |
Research Abstract |
水素原子の配置が一方向に偏った強誘電性の氷が室温近傍で安定に存在する条件を明らかにするのが本研究の目的である。中性子ビームを用いて水素の偏りの程度を精密に分析する手法を開発するとともに、この強誘電性氷に水中の金属イオンを結合させて、水に不純物として含まれる放射性セシウムイオン等の濃度を低下させることを目指している。 平成24年度はFWI(Ferroelectric Water Ice)性能評価用の装置群(FWI解析システム)を設置した。中性子散乱用試料部、赤外分光装置及び温度圧力制御装置で構成されたin-situシステムを開発した。米国オークリッジ国立研究所の原子炉施設及び東海村のJ-PARC施設にてFWI解析システムを稼働させた。得られた中性子散乱データ及び赤外吸収スペクトルの解析を実施した。その結果、種々の材料内部にFWIの存在を確認した。 具体的には、疎水性のポリマー及び細孔材料の内部に存在する水分子のクラスターがFWIを形成していた。また、これらのFWIは室温程度の高い温度域においても安定に存在していた。 従来、FWIは非常に低い温度でのみ存在する特殊な物質と考えられていたが、本研究により室温近傍にも広く存在することが明らかとなった。FWIはセシウムイオンをはじめとして様々な金属イオンを吸着させる高い能力を持っていると考えられている。本年度の研究によりFWIの応用分野を拓く端緒が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に実施の研究により、FWI(Ferroelectric Water Ice)性能評価用の装置群(FWI解析システム)を設置することに成功した。オークリッジ国立研究所の原子炉施設及び東海村のJ-PARC施設にてFWI解析システムを稼働させた結果、種々の材料内部にFWIの存在を確認した。特に、このFWIは従来から認識されていた低温域のみならず、室温近傍にも広く存在していることを中性子ビームを用いて初めて明らかにした。従って、本研究の主たる目的である室温近傍でFWIを存在させる技術の開発に成功しており、現在までおおむね順調に研究が進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
FWIの識別法を確立する。具体的には赤外吸収のデータにおけるFWIの特長を解明し、種々のチューブ、ポリマー 、細孔材料の内部の水について赤外実験のみから強誘電性を評価出来るようにし、研究の効率化を図る。また、室温におけるFWIの安定化を確立するとともにイオンの固定化を試みる。具体的にはFWIの最適サイズ・形状を解明してより強い強誘電性が発生する条件を明らかにするとともにFWIの配向とイオンの結合強度を中性子非弾性の実験から調べる。さらに、セシウム除去の実証を試みる。イオンクロマトグラフ及びガンマ線検出器で水中のイオン濃度及び放射線の減少を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究で開発したFWI解析システムにガンマ線検出器を導入する為に物品費を用いる。また、米国オークリッジ国立研究所の原子炉施設で中性子ビーム実験を実施する為に旅費を用いる。FWI解析システムの維持として消耗品を購入する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Block magnetism coupled with local distortion in the iron-based spin-ladder compound BaFe2Se32012
Author(s)
Yusuke Nambu, Kenya Ohgushi, Shunpei Suzuki, Fei Du, Maxim Avdeev, Yoshiya Uwatoko, Koji Munakata, Hiroshi Fukazawa, Songxue Chi, Yutaka Ueda, and Taku J. Sato
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Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 85
Pages: 064413
DOI
Peer Reviewed
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