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2012 Fiscal Year Research-status Report

単分子架橋ナノ粒子二量体配列による単分子表面増強ラマン分光

Research Project

Project/Area Number 24510138
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

菅野 公二  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20372568)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsナノ粒子 / プラズモン共鳴 / 表面増強ラマン分光 / ナノ粒子配列 / マイクロ流体デバイス / 単分子
Research Abstract

平成24年度は,単分子感度SERS特性の効率的評価に向けて,単分子架橋ナノ粒子二量体が一定方向に配列した構造(単分子架橋ナノ粒子二量体アレイ)を高収率で生成する技術の構築を行った。そのために,①分析対象分子溶液と銀ナノ粒子溶液から単分子架橋ナノ粒子二量体を高収率で生成する技術構築,②単分子架橋ナノ粒子二量体を申請者の保有技術によって基板上へ高収率で配列する技術構築を行った。
①分子架橋ナノ粒子二量体の高収率生成技術
分析対象分子溶液と銀ナノ粒子溶液を混合速度を制御可能なマイクロ流体デバイス内で混合し,粒子を凝集させることで単分子架橋ナノ粒子二量体を生成した。まずナノ粒子が分子を介して凝集するプロセスおいて,ナノ粒子凝集反応速度定数をパラメータに混合・凝集反応の数値解析を行い,実験結果と比較することにより,未知であった凝集反応速度を明らかにした。これにより,混合速度および粒子濃度,分子濃度をパラメータとした数値解析が可能となり,最適な条件を導出するとともに単分子架橋ナノ粒子二量対の高濃度生成を可能とした。この研究成果により,マイクロ流体デバイスにより混合速度を高めることによって,高い二量体濃度の溶液が生成可能であることを明らかにした。また,詳細な数値計算により支配的な要因を明らかにし,設計指針を示すことができた。
②ナノ粒子の基板上への高収率配列技術
申請者が保有するナノ粒子配列技術により,一定方向に揃えられたアレイパターンを基板上に作製するプロセス構築および条件最適化を行った。ここでは,これまでに得ている知見を基に,ナノ粒子濃度,テンプレート溝の長さ・幅・密度,塩濃度をパラメータとし,最適な条件を導出することでナノ粒子二量体の高収率な配列プロセスが可能となった。また,電磁場解析により,ナノ粒子二量体の電場増強度を計算し,最適なナノ粒子直径を明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

単分子感度の表面増強ラマン散乱(SERS)化学分析を発展させるために,(1)巨大なSERS 増強を生み出す単分子架橋ナノ粒子二量体アレイの高効率生成基盤技術(単分子感度SERS分析プラットフォーム)を確立するとともに,(2)単分子架橋ナノ粒子二量体構造の電場増強およびラマン光増強の効率的な特性評価を行うことによって,SERS のメカニズム解明を目的としている。目的実現のためにまず取り組むべきことは,単分子架橋ナノ粒子二量体が一定方向に揃ってアレイ化された配列を高収率で大量に生成する技術の構築となる。
そのための①分子架橋ナノ粒子二量体の高収率生成技術および②ナノ粒子の基板上への高収率配列技術を予定通り構築した。さらに,条件最適化やデバイス作製による技術構築とともに,それに至る数値計算モデルやプロセスにおける支配要因を定量的に明らかにしたことから,予定通り達成している。この成果により,平成25年度に予定した研究項目を問題なく実施することができる状態にある。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度は,ナノギャップにおける電磁場増強理論を基本としたSERS 増強メカニズムの理解と最適構造導出を行う。 本申請課題ではナノ粒子間の電磁場増強理論を基本として,SERS 増強メカニズムの理解を進める。局在プラズモン共鳴(LSP) による粒子間ナノギャップでの増強度はナノ粒子のサイズ,形状,方向,ナノ粒子間隔に大きく依存するため,本項目ではこれら条件とSERS 強度(増強度)との関係を大量のデータから統計的に明らかにすることで,2 段階電磁場増強理論を検証する。さらに,実験結果および理論から最適な構造の条件を導出する。
微細加工・分析の一部は京都大学ナノテクノロジーハブ拠点,京都バイオ計測センター,神戸大学研究基盤センターの設備を利用し効率的に研究を推進する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度における研究では,綿密な事前設計・数値計算およびこれまでの申請者の知見により効率的な研究を行うことができたため,消耗品費を最小限に抑えることができた。平成25年度には,平成24年度に構築した技術を用いて提案する効率的な単分子SERS分析の特徴を活かした大量なデータ取得および解析を行う計画であり,予算を繰り越しそれを消耗品費に充当することで予定よりも多くの実験を行い,より有用なデータ数および成果を得られると考えている。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] SERS CHARACTERIZATION BASED ON SILVER NANOPARTICLE DIMER IN MICROFLUIDIC LAMINAR FLOW FOR MOLECULE TRACE DETECTION2013

    • Author(s)
      Koji Sugano, H. Katayama, Y. Hirai, T. Tsuchiya, O. Tabata
    • Organizer
      The 17th International Conference on Solid-State Sensors, Actuators and Microsystems
    • Place of Presentation
      Barcelona, Spain
    • Year and Date
      20130616-20130620
  • [Remarks] 京都大学工学研究科マイクロエンジニアリング専攻ナノ・マイクロシステム工学研究室

    • URL

      http://www.nms.me.kyoto-u.ac.jp/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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