• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

金属微粒子を集積化したカラークリスタルの成長過程の単一微粒子検出によるその場観察

Research Project

Project/Area Number 24510141
Research InstitutionGenesis Research Institute, Inc.

Principal Investigator

武田 佳宏  株式会社コンポン研究所, 研究部, 研究員 (80557744)

Keywordsカラークリスタル / 金属微粒子 / タンパク質結晶 / 集積化 / レーザーアブレーション / 蛍光顕微鏡 / ゼータ電位 / 量子ドット
Research Abstract

カラークリスタル(タンパク質結晶に金属微粒子を包埋した構造体)に金属微粒子が集積化されるダイナミクス解明を試みた。ゼータ電位の極性の異なる白金微粒子を作製し、結晶への集積化を行った。Polyvinyl pyrrolidoneで被覆され安定化された白金微粒子をレーザーアブレーションで作製し、さらにこの白金微粒子を水溶液中でインキュベーションした。この微粒子を「白金’微粒子」と記す。白金および白金’微粒子のゼータ電位は、pH8以下で、それぞれ1mVと-3 mVであった。リゾチーム分子への集積化効率を測定した結果、白金微粒子は結晶に集積化しやすく、白金’微粒子は、結晶に集積化しにくいことがわかった。酸性溶液中でリゾチーム分子のゼータ電位は約12mVである。したがって、塩化ナトリウムの塩化物イオンが正帯電したリゾチーム分子に吸着する。その結果、白金微粒子周囲の塩化物イオンの濃度は減少し、pH8以下において、塩化物イオンによる白金微粒子のゼータ電位の遮蔽効果は減少する。この結果、白金微粒子は良く分散した状態で結晶表面と相互作用できる。一方、白金’微粒子はpH8以下においては負に帯電しており、したがって、塩化ナトリウムのナトリウムイオンによって効率よく遮蔽される。その結果、白金’微粒子は結晶表面と相互作用する前に凝集する傾向を持つ。以上のように微粒子の結晶表面と相互作用前における微粒子の分散性が集積化の効率の違いの原因になっている。
さらに、光学顕微鏡を用いて、金属微粒子の集積化のダイナミクスを調べるシステムを作製した。そのために数日にわたって蛍光観察ができる顕微鏡システムを構築した。さらに、ガラス表面上に分散させた蛍光微粒子を試験試料として、単一蛍光微粒子からの蛍光検出を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

光学顕微鏡を用いて、金属微粒子の集積化のダイナミクスを調べるシステムを構築することができた。
具体的には、金属微粒子またはその集合体の検出のための暗視野顕微鏡および蛍光顕微鏡の構築を行った。既に構築済みである倒立型顕微鏡へ水銀ランプ光源と光ファイバーによる紫外光の導入を行い、結晶成長に必要な時間(数日)にわたって蛍光観察ができるようにした。
また金属微粒子、特に量子ドットを使う利点として、色素のような退色現象はなく、長時間のその場観察が可能な点が挙げられる。そこで、リゾチーム結晶への量子ドットの取り込みを確認した結果、量子ドットは結晶化条件下でも凝集することなく結晶に集積化することが分かった。このリゾチーム・量子ドットの系を用いて、結晶の核形成の過程を調べることができる。

Strategy for Future Research Activity

25年度は、光学顕微鏡を用いて、金属微粒子の集積化のダイナミクスを調べるシステムを構築することができた。そこで、今後は、暗視野顕微鏡と蛍光顕微鏡を用いて、数日にわたってリゾチーム結晶への量子ドットの取り込み過程を観測し、結晶の核形成の過程を調べる。
核形成については、動的・静的光散乱法,光散乱トモグラフィー、X線や中性子線を用いた小角散乱実験、NMRなどの方法によって、結晶構造に近い蛋白質の会合状態が検出されている。しかし、これらの実験では溶液中に混在している臨界核、不安定核、安定核の平均的な情報しか得られない。本研究では、リゾチーム分子と同程度の大きさを持つ量子ドット微粒子を、集積化タンパク質結晶の核形成のモニタリング粒子として利用することにより、3次元核形成反応をその場観察する。核形成は、それを検出するのは非常に困難なため「神話の時代」と称されるが、個々の核の検出をすることで初めて確率的事象である核形成反応を捉える。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

予定額より安価に実験装置を購入することができたため。
結晶成長過程のその場観察のための長時間顕微鏡画像の撮像システム
600,000円

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Remarks (2 results)

  • [Remarks] リゾチーム結晶中への微粒子の集積化

    • URL

      http://www.clusterlab.jp/2012/researchTakeda_j.html

  • [Remarks] グリーンナノサイエンスデザイン研究会

    • URL

      http://www.clusterlab.jp/2012/greennano.html

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi