2015 Fiscal Year Annual Research Report
力学的・化学的作用によるイオン結晶表面ナノ・ミクロ構造の変化
| Project/Area Number |
24510144
|
|---|
| Research Institution | Chuo University |
|---|
Principal Investigator |
新藤 斎 中央大学, 理工学部, 教授 (90245986)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二木 かおり 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 助教 (10548100) [Withdrawn]
伊村 くらら 中央大学, 理工学部, 助教 (60707107)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 摩擦・磨耗 / 結晶力学 / 塑性変形 / 結晶表面 / 結晶形態 / 原子間力顕微鏡 / 界面活性剤 / 分子集合体 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
実施計画の課題①【結晶の力学物性と表面構造の関わり】の中で検討してきた複数の異なる滑りおよびへき開モードを持つ斜方晶の硫酸バリウム結晶について、試料結晶面の方位、針による引掻き方向、垂直荷重の大きさにしたがって異なるモードが働く仕組みを明らかにすることができた。針の周囲の局所的な力場が重要であり、磨耗痕の中での相対位置により異なる変形モードが活性化される。針の掻引によるずり応力も他の変形モードと共同することにより表面層を大きく剥がすことがあり、摩擦係数の変化の原因となることが分った。
課題②の【液相環境中での結晶表面構造の安定性の比較】については、方解石型結晶の安定面のカチオンによる違いを調べた。炭酸マンガン結晶のへき開面を塩酸で溶解したとき、他の結晶では不安定であると考えられてきた極性面が安定化することがわかった。カチオンの半径が小さいと炭酸イオン間の隙間にある程度入り込むことが可能となり、最表面の局所的電荷分布が中性に近くなるためだと考えられる。同じ結晶系でも形に違いが出るのはこのような理由によると推定される。
界面活性剤分子と結晶面の関わりについては、水素イオン濃度変化により集合状態が大きく変わるアミン系分子で金ナノロッド粒子を覆うことにより、粒子の回収・再分散の制御を可能にした。同様の方法は銀のナノ粒子についても適用できた。市販の界面活性剤分子のCTABを共存させてマイクロメートルサイズの金プレート結晶を成長させると、ロッド構造に形状を変えることができた。
|
