2013 Fiscal Year Research-status Report
カーボンナノシステムの有機分子修飾による電子特性制御
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24510150
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 啓文 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90373191)
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Keywords | グラフェンナノリボン / HAT / 絶縁破壊 |
Research Abstract |
平成26年度は2,6,10-tricyano-3,7,11-triethoxy-1,4,5,8,9,12-hexaazatriphenylene (HAT)(CN)6分子を合成した。また、得られたHAT-(CN)6分子の微粒子をグラフェンナノリボン (GNR)に吸着させた際の電気特性変化の挙動を見た。すると微粒子径がGNR幅よりも小さい場合には、ナフタレンジイミド微粒子の吸着時と同様、微粒子数にプラトー領域が比例するという結果が得られた。しかしながら、微粒子径がGNRの幅より大きい場合には半金属のままであった。また微分コンダクタンスは±1Vの幅に9個のピークを示した。これが半導体のツェナートンネル現象の際に見られる現象と非常に近いことが分かっている。これらの結果から吸着微粒子はグラフェンナノメッシュのメッシュ孔と同じ働きをし、微粒子のない部分のみに電流が流れることが分かった。 また単層カーボンナノチューブ(SWNT)のアンジップに成功し非常にクオリティの高いGNRを得ることに成功した。これまで2層カーボンナノチューブ由来のもののみでアンジップに成功していたので、これで幅の違うグラフェンナノリボンの作り分けに成功したことになる。特にSWNTをアンジップした場合にはその幅が数nmになる。一般的に10nmを切るGNRは半導体性を示すことから、有機分子が半金属性、半導体性の両者に吸着した際に示す電気特性の違いが注目される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はSWNTおよびGNRに吸着するナノ粒子がいかに電気特性に影響を与えるかを調べるものである。本年度はHAT分子がGNRの電気特性に非常に大きく影響を与えることを見出した。ネック構造が分子吸着によっても作製可能であることが分かったこ都など非常に重要な知見を得た。このことから研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はPOMについて吸着量を変更するために合成的手法によりアンカーリンクをつける予定で、先端にピレンを付与することでSWNTやGNRのπ電子と相互作用でき吸着しやすくなると思われる。実際にPOMの大きな結晶ではNDRがみられないことから、粒子の大きさを制御することが非常に重要であり、それにより本研究の最終目的をまとめることができるであろう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度研究内容が既存の測定装置を用いることにより遂行可能であったため、今年度使用を考えていた備品費について使用しなかった。また備品に付随して用いる予定であった消耗品代も使用する必要がなかったため繰り越すこととした。 来年度に繰り越した備品費を利用する予定である。
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[Journal Article] Advanced Photoassisted Atomic Switch Produced Using ITO Nanowire Electrodes and Molten Photoconductive Organic Semiconductor2013
Author(s)
A. Klamchuen , H. Tanaka, D. Tanaka , H. Toyama , G. Meng , S. Rahong , K. Nagashima , M. Kanai , T. Yanagida , T. Kawai , T. Ogawa
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Journal Title
Adv. Mater.
Volume: 25
Pages: 5893-5897
DOI
Peer Reviewed
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