2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
岡井 大祐 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60336831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本山 岳 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (20360050)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アモルファス合金 / 金属ガラス / ナノ結晶 / 超電導体 |
Research Abstract |
金属材料の高強度化の方法の一つとして,材料の微細組織化が挙げられる.本研究ではZr-Nb超電導合金を微細組織化することでアモルファスとナノ結晶の複合組織化を行い,Zr-Nb系超電導性金属ガラスの創製を試みた.三経験則を満たす合金系ではガラス形成の高い金属ガラスが比較的容易に作製できるようになり,アモルファス合金および金属ガラスの種類も増えている.そこで,Zr-Nb合金の微細組織化には,金属ガラスの合金設計で用いられる三経験則をもとにAlおよびCo元素を添加元素として選び,液体急冷法を用いてナノ組織を有するZr-Nb-Al-Co系超電導合金の作製を行った. Zr65Nb35合金にAlおよびCo元素を添加したZr65-xNb20Al15Cox液体合金を単ロール液体急冷により作製することにより,アモルファス・ナノ結晶複合組織からなるZr65-xNb20Al15Cox超電導合金を作製することができた.Zr65Nb35合金へのAl元素の添加では,作製された合金の微細組織化はほとんど生じなかったが,Zr65Nb20Al15合金へのCo元素の添加は,合金のアモルファス化に大きく寄与することが明らかとなった.単ロール液体急冷法で作製したZr65-xNb20Al15Cox(x=6-10at%)合金のX線回折図形はアモルファス構造を特徴付けるブロードな回折図形であり,合金の微細組織化が生じた.高分解能透過電子顕微鏡(HR-TEM)による合金の組織観察から,10-20nm程度のナノ結晶がアモルファス構造中に分散した組織を有する合金であることがわかった.超電導量子干渉磁束計による合金の磁化率測定からZr65-xNb20Al15Cox合金は4K以下で超電導特性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(Zr,Ti)-Nb系金属ガラス前駆体において,①Zr-Nb系,②(Zr,Ti)-Nb系,③ Ti-Nb系結晶合金のナノ超電導金属ガラス化を行う計画である.今年度はZr-Nb超電導合金を微細組織化することでアモルファスとナノ結晶の複合組織化を行い,Zr-Nb系超電導性金属ガラスの作製を行った.薄帯形状のZr-Nb系超電導性金属ガラス前駆体の作製に成功したことで,(Zr,Ti)-Nb系およびTi-Nb系合金の微細組織化 に向けてのファーストステップがクリアーできたと言える. Zr-Nb合金へのAlおよびCo元素の添加による合金の微細組織化効果が得られたことから,合金の微細組織化に対しては(Zr,Ti)-Nb系,Ti-Nb系合金においても同様の手法が有効であると推察される.
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Strategy for Future Research Activity |
(Zr,Ti)-Nb系,Ti-Nb系金属ガラス前駆体の作製を行うとともに,ナノ超電導金属ガラス化されたZr65-xNb20Al15Cox(Zr-Nb系)などの金属ガラス前屈体のバルク化を進める.さらに,得られた金属ガラス前駆体を熱処理によりナノ結晶合金化を行う.金属ガラス前屈体はアモルファス中にナノ結晶が分散しているので,ナノ結晶核の粒成長速度が速い場合,熱処理条件(温度と時間)の最適化が重要となる.結晶粒サイズを抑制ししつ,アモルファス相のナノ結晶化を促進する熱処理条件を精査する.合金構造はX線回折法により調査し,合金組織は高分解能透過電子顕微鏡(HR-TEM)で観察する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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