2014 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起磁気円二色性STMによるフタロシアニン分子のスピン分布マッピング
Project/Area Number |
24510159
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
高木 康多 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 助教 (30442982)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / スピントロニクス / 磁気円二色性 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は既存の375nmのレーザーとH25年度に新たに購入した266nmのTeem Photonics社のパッシブQスイッチピコ秒レーザーを用いて、それぞれの波長に対応したポッケルスセルおよびポッケルスセルドライバーを用いて円偏光変調法によるレーザー誘起磁気円二色性走査トンネル顕微鏡(STM)像の取得を試みた。まずSTMとレーザーの位置関係の変化を極力抑えるためにレーザーをSTMチェンバーと同じ除振台の上に設置し、STMチェンバー内の測定用の探針直下に照射できるようにレーザーの入射位置を調整した。その後、偏光を確認するためにポッケルスセルとチェンバーの入射ポートの間にフォトダイオードを設置し、ポッケルスセルによるレーザーの偏光ためのパラメーターを調整した。それらを終えて、実際にレーザーを試料に照射し、熱による探針位置のドリフト等の影響を抑えるSTMの測定条件などの探索し、レーザー照射下での単結晶表面のSTM像測定には成功した。その後、磁気円二色性を示すSTM像の取得のため、レーザーの光学調整やSTM像の測定条件などを変化させ最適なパラメーターを見つけるべく実験を繰り返したが、まだ円偏光変調法による有意な磁気円二色性を示す像は取得するまでには至っていない。 一方、フタロシアニン分子の物性測定のためのXMCD測定は継続して行った。磁性金属フタロシアニン分子と下地の磁性薄膜の相互作用を調べた。STMと比較してフタロシアニン分子と強磁性金属基板の磁気的相互作用について詳しく考察した。
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