2014 Fiscal Year Annual Research Report
in situ XAFSとXRD同時測定による無機発光材料の活性点構造の解明
Project/Area Number |
24510162
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
阪東 恭子 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (50357828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英一 公益財団法人佐賀県地域産業支援センター九州シンクロトロン光研究センター, ビームライングループ, 研究員 (80319376)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | in situ 測定 / XAFSおよびXRD同時測定 / 無機EL / Tbドープアルミナナノ粒子ゾル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、平成25年度に設計したXAFSおよびXRD同時測定用セルの改良に取り組んだ。平成25年度の実験では、サンプル温度を700℃までしか上げられなかったので、より高温での処理を可能にするための検討に取り組んだ。まず、ヒーターそのものの温度が900℃まで上昇することを確認した。したがって、この熱を如何に効率よくサンプルに伝える方法と確立するために、サンプルホルダー周りの保温シールドの作成や、ヒータ一位置の検討等行った。しかしながら、様々な改良を試みたが、サンプル温度を700℃以上に昇温することはできなかった。そこで、サンプルとヒーターの保持を根本から見直して、XAFSを透過ではなく蛍光モードで測定するレイアウトに変更し、サンプルがヒーターに接し設置できるように改良した。これで、昇温の問題を解決することができた。 到達温度は目標に届かなかったものの、H26年度は、XAFSとXRDの同時測定を計画通り実施した。今回は測定をQuickスキャンモードで行うことで、XAFSとXRDの測定を連続して、測定時間を1スペクトルあたりそれぞれ3分と10分で行うことに成功した。本課題で研究課題としている、発光中心およびその周囲の構造変化は比較的緩やかであることから、このような時間分解能でも、昇温処理による発光点構築機構を捉えることは可能である。実際、200℃付近からTbの配位構造の変化が起こり始め、その変化が安定化した400℃付近からアルミナの構造変化が開始し、アルミナ母材の構造は600℃付近で安定化することが分かった。これらのことから、Tbはアルミナの結晶構造に取り込まれることなく、アルミナナノ粒子表面上で原子状に分散して存在してることが分かった。
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Research Products
(2 results)