2013 Fiscal Year Research-status Report
19F-NMRタグを有する磁性ナノ粒子による多次元化遺伝子診断システムの開発
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24510165
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大石 基 筑波大学, 数理物質系, 講師 (90419242)
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Keywords | 19F-NMR / DNA / 金ナノ粒子 / センサー |
Research Abstract |
本研究の目的は、蛍光色素に代わる新しいタグとしてフッ素(19F)官能基を有するRNAプローブとポリエチレングリコールを共固定化した磁性ナノ粒子を構築し、アレイ化することなく(1つの試験管内で)数十~百種類の遺伝子を19F-NMRにより高感度に検出・定量できる多次元化フォーカスト遺伝子診断システムを開発することである。このシステムは、本申請者が独自に開発した界面構築法により高い非特異吸着抑制能、塩基配列選択性およびハイブリダイゼーション効率を有し、かつRNase H(酵素)によりRNAプローブ/ターゲットDNA二重鎖のRNA鎖のみを特異的に切断・リリースすることで19Fシグナルの増強が可能であるなどの特徴を有する。本申請研究のような19F-NMRタグとして機能する磁性ノ粒子による多次元化フォーカスト遺伝子診断システムを開発するため、平成25年度は前年度の成果をもとに、新たに「金ナノ粒子表面上での非酵素型のシグナル増幅法」の開発を行った。この方法は、DNA化金ナノ粒子表面での酵素フリーなリゲーション連鎖反応と磁気分離を組み合わせることにより19Fシグナルを増幅するシステムである。その結果、標的DNAおよび標的RNAに対すして高い増幅効率を達成し、かつこの方法による標的DNAおよび標的RNAの比色検出の限界濃度は、50 zM(3分子)であった。また、この方法は非常に高い塩基選択性を有していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に開発した「金ナノ粒子表面上での非酵素型のシグナル増幅法」は、19Fシグナルの著しい増幅が可能であることから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、平成25年度に開発した「金ナノ粒子表面上での非酵素型のシグナル増幅法」を基盤として、19F化DNA(平成24年度に合成法を確立)を用いて研究計画どおりに19F-NMRにより高感度に検出・定量できる多次元化フォーカスト遺伝子診断システムの開発を行う予定である。
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