2012 Fiscal Year Research-status Report
細胞内外における局所刺激を可能にするナノ光触媒を用いた化学反応誘起プローブの開発
Project/Area Number |
24510167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
新ヶ谷 義隆 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員 (40354344)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光触媒 / 酸化物ナノロッド / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
平成24年度は酸化タングステンナノロッドを局所化学反応誘起プローブとして用いるために酸化タングステンナノロッドの光触媒活性を微視的に調べるためのセットアップを構築した。既設の倒立顕微鏡ステージ上で動作する液中走査プローブ顕微鏡に科研費にて新規購入した白色ファイバ光源を増設し、白色光を照射できるようにした。また、632.8nmのHe-Ne レーザーおよび532nmの固体レーザーを増設し、さらに分光器、CCD検出器を増設して、カンチレバー先端におけるラマン散乱を観察できるようにした。 また、局所的に化学反応を誘起するためには、光触媒活性を有する場所をナノスケールの位置精度で作製する必要がある。酸化タングステンナノロッド(WOx)内に局所的にWO3セグメントを作製するために、導電性カンチレバーを用いた陽極酸化を試みた。酸化タングステンナノロッドをITOコートしたガラス基板上に分散し、白金コートしたカンチレバーを用いてティップ先端に電圧を印加し陽極酸化を行った。コンタクトモードを用いて-1Vから-8Vの範囲でティップに電圧を印加すると-6Vで、形状像に変化が見られ電圧を印加した場所に突起物が形成することが明らかになった。ラマン散乱の結果からWO3セグメントが形成していることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、予定していた酸化タングステンナノロッドの光触媒活性の巨視的な観察に関しては実行できなかったものの、酸化タングステンナノロッドの光触媒活性の微視的な観察のための原子間力顕微鏡と白色光源、レーザーおよび分光器を組み合わせたセットアップを完成させることができた。また、局所的に光触媒活性を持たせるためのティップによる局所陽極酸化を行う技術を確立できた。従って、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に開発した導電性カンチレバーを用いた陽極酸化法による酸化タングステンナノロッド内に局所的にWO3セグメントを作製する技術と液中走査プローブ顕微鏡を用いて、光触媒活性の微視的な観察を行う。また、予算申請書内に記述した電界蒸発を用いた酸化タングステンナノロッドの尖鋭化を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
酸化タングステンナノロッドの尖鋭化を行うためにタングステンティップ先端に取り付けた酸化タングステンナノロッドを対向電極に近づけ、電圧を印加し電界蒸発によって尖鋭化を行う。そのために必要な、電動XYZ回転ステージとそのコントローラを購入する。また、光触媒活性の微視的な観察を行うための光学フィルタ、高純度試薬を購入する。
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Research Products
(1 results)